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国立公園の環境価値と利用者負担政策の評価手法開発に関する研究(令和 4年度)
Research on the environmental value of national parks and the development of valuation methods for pricing policies

研究課題コード
2222BE001
開始/終了年度
2022~2022年
キーワード(日本語)
国立公園,環境価値評価,ビッグデータ
キーワード(英語)
National park,Environmental valuation,Big data

研究概要

国立公園は自然の保全と利用の両立が求められているが、財源不足により保全活動を十分に実施できていない。本研究の目的は、全国34ヶ所の国立公園の環境価値を計測するとともに、利用者負担制度などの国立公園政策が環境価値に及ぼす影響を評価する手法を開発することで、国立公園の保全と利用の両立を実現するための国立公園政策を明らかにすることにある。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 本研究では、国立公園の環境価値を評価し、利用者負担制度などの国立公園政策が国立公園の環境価値にもたらす政策効果を分析するための評価手法を開発するために、3つのサブテーマを設ける。
 サブテーマ1「国立公園政策の評価手法開発」では、国立公園の保全と利用に関わる政策が国立公園の訪問行動にもたらす影響を分析するための手法を開発する。全国の国立公園の利用者へのアンケート調査を実施し、利用者負担、利用規制、自然保全などの様々な国立公園政策が訪問行動に及ぼす影響を定量的に分析する。
 サブテーマ2「ビッグデータによる環境価値評価」では、携帯電話の電波情報などのビッグデータを用いて国立公園の環境価値を評価する手法を開発する。携帯電話の電波情報を用いることで、国立公園の利用者がどこからどこへ移動したのかを精密かつ網羅的に把握することが可能となる。また、植生GISデータ等の空間環境情報と携帯電話ビッグデータを組み合わせることで、植生等が訪問行動に及ぼす影響をモデル化し、トラベルコスト法により環境価値を金銭単位で評価することが可能となる。
サブテーマ3「利用者負担の現地調査」では、国立公園で実施されている利用者負担制度を調査し、現在の利用者負担制度の問題点を解明する。富士山、屋久島、知床など利用者負担が実施されている国立公園で現地調査を実施し、利用者負担による保全活動の現状と課題を調査する。そして、国立公園の現地の状況を踏まえ、利用者負担、利用者規制、環境保全などに関する政策オプションの実現可能性を検討し、国立公園の政策シミュレーションを行うための政策シナリオを設計する。
 そして、各サブテーマの分析結果をもとに、本研究で開発した評価手法を用いて国立公園の政策シミュレーション分析を実施し、国立公園政策が国立公園の環境価値にもたらす政策効果を分析する。

今年度の研究概要

ビッグデータの整備、経済理論の開発等に着手する。

外部との連携

本研究の代表は栗山浩一氏(京都大学)である。

課題代表者

久保 雄広

  • 生物多様性領域
    生物多様性保全計画研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 経済学,心理学,農学
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