- 予算区分
- 3-2101
- 研究課題コード
- 2123BA005
- 開始/終了年度
- 2021~2023年
- キーワード(日本語)
- リチウムイオン電池,火災,不燃ごみ,循環・廃棄
- キーワード(英語)
- Lithium-ion battery,Fire,Incombustible waste,Waste management and recycling
研究概要
循環・廃棄過程でのリチウムイオン電池(LIB)に起因する火災事故の防止対策が急務となっており、火災リスク低減を通して、安全・安心で持続可能な循環型社会づくりに貢献することを目的とする。一般廃棄物処理施設及びリサイクル施設におけるリチウムイオン電池(LIB)等に起因する火災事故実態を解明し、火災事故防止対策をガイドラインにまとめるとともに、今後のLIB消費拡大に備えた適正管理対策についても費用対効果を伴って提案する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:政策研究
全体計画
まず統計情報と施設での取扱い状況調査から、現在と将来のLIBの排出量及び処理・リサイクル施設へのフローを推計する。既存の事故事例に基づき、前処理・破砕選別・残渣保管といったプロセスに応じた火災事故調査と対策の全体設計を行う。
そしてLIB混入が懸念される廃棄物処理・リサイクルの実施設を5ヵ所程度抽出して、破砕選別や残渣保管などのプロセスにおいて各種センサーを設置して数週間以上のリアルタイムモニタリングを実施し、火災事故メカニズムと発火の早期検出可能性を検証する。同時に、破砕選別プロセスなどの改善、センサー強化によるモニタリング強化、RFIDタグを装着したLIBの事前除去といった対策技術の導入可能性を検討するとともに、これらのリスク低減効果の定量的な指標化を行う。
最後に、検討した現場の対策技術に対して、効果とコストを伴った評価を行う。短期的に可能な対策はガイドラインとしてとりまとめる。RFIDを用いたLIB除去については生産段階の協力も必要なLIBのライフサイクル管理であり、長期的な対策の一つとして費用負担のあり方を含めた検討材料の提供を行う。以上により、将来のLIB排出量推計結果と対策技術の効果及びコストを合わせて、将来の循環・廃棄過程における火災事故リスク低減に向けた適正管理対策を複数提案する。
今年度の研究概要
まず、将来の一般廃棄物処理施設や小型家電リサイクル施設に混入する量を推計して、対策別の火災事故発生ポテンシャルを計算する基礎とする。
また、火災事故メカニズムについて、リチウムイオン電池の破砕や残渣の自然発火に着目しながら、室内モデル実験やモデル計算を行って検討を行うとともに、関与するプロセスに応じた火災事故発生リスクの評価手法の検討を行ってリスク指標などの形で提示する。
さらに、主な対策技術として、プロセスの改善、センサー充実によるモニタリング強化、RFIDを用いたLIBの事前除去などを想定し、これらの対策効果とコストに関する情報を収集する。すなわち、実施設における事故事例の詳細調査を継続して、プロセスの改善などの対策技術によるリスク低減効果について定量的な指標化、5ヵ所程度の実施設においてリアルタイムでのモニタリングの実施、RFIDを用いたLIB事前除去に向けたシステム導入の可能性の検討などを行う。
外部との連携
研究代表者:国立環境研究所・寺園淳
共同実施機関:みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、横浜国立大学、イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社
- 関連する研究課題
- 26413 : PJ2_物質フローの転換と調和する化学物質・環境汚染物管理手法の開発
- : 資源循環分野(イ政策対応研究)
- : 資源循環分野(ア先見的・先端的な基礎研究)