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トップダウンアプローチによる予測不確実性低減と影響評価・適応研究への連携研究(令和 4年度)
Topdown approach to constrain the uncertainty of climate change projection and collaborations with impact and adaptation studies

予算区分
2-2202
研究課題コード
2223BA001
開始/終了年度
2022~2023年
キーワード(日本語)
気候変動,気候モデル,不確実性
キーワード(英語)
climate change,climate model,uncertainty

研究概要

地域の極端現象の発現には、気温・海面水温や水蒸気量など熱力学的状態の変化と、循環や大気波動などグローバルな力学的変化との双方が作用する。昨年度までの推進費「ストーリーライン」研究課題では、日本の社会に大きな影響を及ぼす豪雨や猛暑などの異常天候の将来変化について、海面水温や大気上層循環等の大規模場の遠隔影響を解析し、最新のCMIP6モデル群のばらつきによる不確実性の度合も含めて評価し、地球温暖化影響評価研究(S-18)に情報提供した。
本課題では次のステップとして、不確実性を低減した情報提供を目指す。そのため、CMIP5,CMIP6気候モデルデータ、全球再解析データ、衛星観測データ等を利用し、まず、気候変動に伴う海面水温・気温上昇が、直接または大気循環の変化による遠隔影響を介し、日本域やアジア域の極端現象をいかに変化させるかを物理的に解釈し定量化する。さらに、その知見に基づきCMIP6モデル群のもつ将来変化の幅について定量的に制約を課し、将来予測の不確実性を低減する。得られた知見を水文モデル等の影響評価研究グループと共有し、気候変動影響を社会により密接な情報として伝達する。
以上の目標を達成するため、本提案は以下の4つのサブ課題で構成する。(サブ1)極端気象に関する予測不確実性低減と水文研究への連携。(サブ2)成層圏と対流圏上層ジェットの遠隔影響に関する予測不確実性低減。(サブ3)アジアモンスーン・熱帯域の温暖化予測不確実性の低減を踏まえた東アジアでの気候変化予測。(サブ4)トップダウンアプローチによる予測不確実性低減と影響評価・適応研究への連携研究。影響評価研究への情報伝達はサブ4が、特に水文モデル研究への情報伝達はサブ1が担う。さらにサブ1は4サブ課題を総括し、環境政策等に貢献する情報を抽出する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

日本やアジア太平洋域における影響評価研究の入力データとなる様々な気候変数や重要な極端現象指数などの予測不確実性に対して、全球平均気温などの全球スケール現象の予測不確実性低減の効果がどのように波及するのかを調査する。その上で、影響評価研究で利用される共通気候シナリオの信頼性を評価し、サブ1と協力して気候変動に伴う極端現象の不確実性低減情報のまとめと影響評価・適応研究への情報提供を行う。

今年度の研究概要

気候予測データを解析して、全球スケール現象に関する予測不確実性低減の効果が、どの地域の何の変数の予測不確実性まで波及するのかを調査する。

外部との連携

代表者:東京大学 大気海洋研究所 高薮縁教授

課題代表者

塩竈 秀夫

  • 地球システム領域
    地球システムリスク解析研究室
  • 室長(研究)
  • 理学博士
  • 地学,理学
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担当者