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イソシアネートに着目したプラスチック製品由来化学物質の曝露実態と健康有害性に関する研究(令和 4年度)
Study on the exposure and health hazards of chemicals derived from plastic products focusing on isocyanates

研究課題コード
2224AO001
開始/終了年度
2022~2024年
キーワード(日本語)
イソシアネート,マイクロプラスチック,化学分析,粒子解析,健康有害性評価
キーワード(英語)
isocyanates,microplastics,chemical analysis,particle analysis,health hazard assessment

研究概要

イソシアネートは、プラスチックの一種であるポリウレタン(PU)の原料として使用される化学物質であり、製品由来の曝露による健康影響が懸念されているが、その実態は明らかでない。本研究では、イソシアネートの曝露実態と健康有害性を明らかにするため、環境試料やPU含有製品等の分析による生活環境中における曝露状況の把握と実験動物を用いた健康有害性評価を実施する。有害性評価では、複数経路からの曝露による複合影響を評価する。また、製品に由来するマイクロプラスチック(MP)としての曝露も視野に入れた新たな吸入曝露システムの確立等により、実環境での曝露経路・形態を反映した評価系構築にも研究を展開する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本研究は3サブテーマ構成で、(1) イソシアネートの曝露実態に関する化学的、物理的評価、(2) イソシアネートの曝露経路・形態と健康有害性に関する評価、(3) MP等新規吸入曝露システムの確立に取り組む。1年目は、PU含有製品や環境試料を対象とした化学的、物理的評価、劣化・微細化試験の整備、イソシアネートの経皮曝露と経気道曝露(気管内投与)による有害性評価に着手し、測定法や実験系を確立し、基礎データを取得する。また、吸入曝露装置の改造等整備に着手する。2年目は、製品および環境試料中イソシアネート類の定性的・定量的分析、劣化・微細化試験におけるMPの形状解析、分析結果を反映したイソシアネートの経皮曝露、経気道曝露(気管内投与または吸入)による影響を明らかにする。また、MPにも対応した吸入曝露システムを最終年度にかけて確立する。3年目は、製品由来イソシアネートの曝露動態に関する解析を進める他、生体試料中イソシアネートとその代謝物の解析を行う。また、経皮と経気道曝露の複合影響の評価、確立した吸入曝露システムを用いたPUの模擬MP曝露実験を試みる。

今年度の研究概要

2022年度は、(1) イソシアネートの曝露状況について、発生源を含めて把握するため、PU含有製品および環境試料の化学的、物理的評価に着手し、採取法や測定手法を確立し、基礎データを取得する。実環境試料は、製品や模擬環境試料の分析から発生源となりうるものを検討し、それらの使用が想定される場所を複数選定する。また、PU含有製品等を対象に、劣化試験および微細化試験を実施するための実験環境の整備を行う。(2) 経皮および経気道の複合経路曝露を連続的に行う新規実験モデルを確立するため、実験動物(マウス)を用いて、まずイソシアネートの経皮、経気道それぞれの曝露による有害性評価に着手し、基礎データを取得する。イソシアネートは代表例1、2物質を選択し、経皮は耳介に塗布、経気道は気管内投与により反復曝露(1-2日おきに計4週間)を行う。(3) 既存の吸入(鼻部)曝露装置から本研究仕様への改造等整備に着手し、次年度に実施するイソシアネート吸入曝露実験の発生法および曝露空気質を管理するための測定法を確立する。また、実験に使用する模擬MP について、第一候補としているPU膜マイクロカプセルの試作を行う。

外部との連携

産業医科大学

関連する研究課題

課題代表者

小池 英子

  • 環境リスク・健康領域
  • 副領域長
  • 博士(医学)
  • 医学,生物学
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担当者