- 研究課題コード
- 2224LA001
- 開始/終了年度
- 2022~2024年
- キーワード(日本語)
- エアロゾル,大気汚染予測,衛星データ,エアロゾル同化
- キーワード(英語)
- Aerosol,Air pollution prediction,Satellite data,Aerosol data assimilation
研究概要
国立環境研究所では、全球高分解能モデルNICAM-Chemを用いた大気汚染予測システムの構築を進めている。この予測システムでは、観測データを用いたエアロゾルデータ同化の活用を行う。複数のエアロゾル衛星成果物を同時に利用することで、エアロゾル欠損値が減り、より多くのエアロゾルの情報をデータ同化に利用することが見込まれる。したがって本課題においては、GCOM-C/SGLI、静止衛星ひまわり8/9号、利用可能であればEarthCARE/ATLID等を併用し、複数の衛星エアロゾルプロダクトを活用する。予測システムの対象領域は全球で、50km程度の高空間分解能を想定している。また同化なしのNICAM-Chemのモデル改良は継続して行い、地上および衛星観測結果を用いた検証を行うことで、予測精度の向上を目指す。得られた結果は、現在国立環境研究所で運用されている大気汚染予測システムVENUSの初期値や境界値にも利用する。高分解能シミュレーションとエアロゾルデータ同化による観測との融合によって、従来よりも高精度の大気汚染予測を目指し、その結果は国民に広く配信することを目指す。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
2022年度は、GCOM-C/SGLIのエアロゾル光学的厚さ(AOT)を用いた長期間のエアロゾルデータ同化を実施し、MODIS等の同化に用いない衛星や地上観測結果との比較を通じて、GCOM-C/SGLIのAOTの特徴を把握する。また、EarthCAREに搭載されるATLIDライダーを想定したCALIPSO/CALIPOを含めて、複数のエアロゾル衛星成果物を利用したデータ同化に着手する。その他、利用可能な観測データを用いてNICAM-Chemのモデル検証を実施し、データ同化の結果を通じて得られた知見をもとにモデル改良指針を明確化する。
2023年度は、前年度に引き続き、GCOM-C/SGLIの長期間のエアロゾルデータ同化と複数のエアロゾル衛星成果物を利用したデータ同化を実施する。また前年度挙げたモデル改良点を中心に、NICAM-Chemモデル改良を実施する。同年度後半には、NICAM-Chemの結果をVENUSに利用する手法構築に着手する。
2024年度は、前年度に引き続き、GCOM-C/SGLIの長期間のエアロゾルデータ同化と複数のエアロゾル衛星成果物を利用したデータ同化の実施、NICAM-Chemモデル改良、NICAM-ChemとVENUSの融合に向けた取り組みを実施する。なお、NICAMの計算にはJAXAのJSSシステムも利用する。
今年度の研究概要
GCOM-C/SGLIのエアロゾル光学的厚さ(AOT)を用いた長期間のエアロゾルデータ同化を実施し、MODIS等の同化に用いない衛星や地上観測結果との比較を通じて、GCOM-C/SGLIのAOTの特徴を把握する。また、EarthCAREに搭載されるATLIDライダーを想定したCALIPSO/CALIPOを含めて、複数のエアロゾル衛星成果物を利用したデータ同化に着手する。その他、利用可能な観測データを用いてNICAM-Chemのモデル検証を実施し、データ同化の結果を通じて得られた知見をもとにモデル改良指針を明確化する。
外部との連携
JAXA/EORC(宇宙航空研究開発機構/地球観測研究センター)、中国科学院大気物理研究所
備考
本課題は、地球観測研究公募「第3回地球観測研究公募」の下で実施される。
- 関連する研究課題
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