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GC×GC-EI/ソフトイオン化-HRTOFMSと精密質量情報を利用したデータ解析による有機ハロゲン化合物の網羅的探索‐堆積物コア試料を用いた手法の評価‐(令和 3年度)
Comprehensive search for organohalogen compounds by GC×GC-EI/Soft ionization-HRTOFMS method – Evaluation of the non-target screening technique for environmental sample using sediment core -

研究課題コード
2121KZ004
開始/終了年度
2021~2021年
キーワード(日本語)
ノンターゲット分析,ソフトイオン化,精密質量,堆積物
キーワード(英語)
non-target analysis,soft ionization,accurate mass,sediment

研究概要

 近年、欧米を中心に環境試料ノンターゲット分析のニーズが高まっている。申請者らは、GC×GC-電子イオン化(EI)-HRTOFMSを用いて、環境試料ノンターゲット分析手法の開発を行ってきた。GC×GC-EI-HRTOFMSは、高分離分析に加えて、広い質量範囲において精密質量スペクトルの取得が可能であり、従来法と比較して各段に多くの情報量を得ることが出来る。しかし、過去の河川の表層堆積物を用いた検討では、標準品を用いずに確度の高い同定が出来たピークはわずかであり、その理由の1つとして、分子イオンの強度不足により組成式推定が困難であることが挙げられた。よって、フラグメントイオンの生成を最小限に抑え、分子イオンの高感度検出を行うソフトイオン化法の開発が必要であると考え、これまで不活性ガスを用いたソフトイオン化法の検討を行ってきた。
 加えて、GC×GC-EI-HRTOFMSによる河川の表層堆積物の測定データの解析においては、既存のデータ解析プログラムのみでは、ノンターゲット分析手法で得られたデータの高精度かつ効率的な解析は困難であることも明らかとなった。そこで申請者らは、これまでソフトイオン化法の開発と並行して、精密質量スペクトルを含んだ網羅分析データ用の解析プログラムの開発を行ってきた。
 本研究では、これまで開発してきたGC×GC-EI/ソフトイオン化-HRTOFMSと精密質量情報を利用したデータ解析手法による有機ハロゲン化合物の網羅的探索手法について、総合的に手法の精度評価を行いたい。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 GC×GC-EI/ソフトイオン化‐HRTOFMSと精密質量情報を利用したデータ解析プログラムを用いて、兵庫県香美町沖の堆積物コア試料中に含まれる有機ハロゲン化合物の網羅的探索を行い、これまで開発してきた手法の総合的な評価を行う。具体的には、ソフトイオン化法として、新たに開発した不活性ガス(Ar)によるソフトイオン化法を利用し、データ解析手法として、これまで開発してきた2つのソフトウェア「分子組成式に相当する同位体精密マススペクトルの抽出を行う“ComEX”」と「塩素、臭素などの質量欠損(整数質量と精密質量の差)を利用したマススペクトル抽出が可能な“MDF”」を用いる。
 本研究では、これまで開発してきた手法の総合的な評価を行うとともに、前回の河川の表層堆積物の測定から見出した環境試料ノンターゲット分析手法における問題点がどのように解決できたか、得られたデータから考察を行う。

今年度の研究概要

上記の全体計画にそって、研究を行う。

外部との連携

愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 国末 達也 教授

備考

愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 共同利用・共同研究拠点「化学汚染・沿岸環境研究拠点」生物環境試料バンク(es-BANK)利用型共同研究 

関連する研究課題
  • 25584 : 基盤計測研究(ア先見的・先端的な基礎研究)
  • 25586 : 基盤計測業務(ウ知的研究基盤整備)

課題代表者

家田 曜世

  • 環境リスク・健康領域
    環境標準研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 化学
portrait

担当者