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令和3年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する試験法開発に係る業務
(令和 3年度)
FY2021 Contract work on test method development for endocrine disrupting chemicals

研究課題コード
2121BY100
開始/終了年度
2021~2021年
キーワード(日本語)
環境ホルモン,メダカ,オオミジンコ
キーワード(英語)
endocrine disrupting chemicals,Japanese medaka,Daphnia magna

研究概要

環境省では、平成28 年6 月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応—EXTEND2016 —」を取りまとめ、EXTEND2010(平成22 年7 月取りまとめ)における取組の成果と課題を踏まえ、作用・影響の評価及び試験法の開発や環境中濃度の実態把握及びばく露の評価、リスク評価及びリスク管理、化学物質の内分泌かく乱作用に関する知見収集ならびに国際協力及び情報発信の推進、といった具体的方針を掲げている。
このため、まだ十分確立されていない試験法について、引き続き開発を進める必要があるとともに、OECD 等で進められている試験法確立に今後も積極的に協力し、国際的な貢献を行う必要がある。
本業務は、これらを踏まえて、主に魚類、及び無脊椎動物を対象とした各種試験の実施や情報収集、必要な検討を通して、試験法の確立及び影響を評価するため必要な基礎的知見の集積を行い、試験の開発・適正化に向けた取組みを進めるととともに、併せてOECD、日英・日米二国間協等の国際的な取組への貢献に資することを目的として実施するものである。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

(1)魚類及び無脊椎動物を用いた試験法開発に係る業務
1)魚類試験法開発に係る業務
幼若メダカを用いて化学物質の抗男性ホルモン様作用を検出するスクリーニング試験法について、OECDガイダンスドキュメント化に向けた取り組みを推進し、OECD専門家会議での承認を目指す。さらに、第二段階試験であるメダカ拡張一世代繁殖試験(MEOGRT)の実施および統計解析における改訂に向けた検証を行う。また、欧州での魚類(主にゼブラフィッシュ)を用いた化学物質の甲状腺ホルモン様作用検出試験法の開発が進められているが、メダカを用いた新たな甲状腺ホルモン様作用検出のための試験法開発に向けて検討を推進する。さらに、欧州を中心に諸外国では動物愛護の観点から、魚類胚を利用した試験法の検討を実施しており、内分泌かく乱化学物質の検出試験系も提案されていることから、これらの情報を収集し、必要に応じて開発への協力を行う。
2)無脊椎動物試験法開発に係る業務
過年度業務においてこれまでに試験プロトコール案が作成されているミジンコを用いた化学物質の幼若ホルモン作用のスクリーニング試験法の開発に向けて、検証試験を継続して、試験法の有効性及び妥当性等についての報告書を作成し、OECD 専門家会議においてテストガイドラインもしくはガイダンスドキュメントとしての承認を目指す。また、抗幼若ホルモン作用物質の検出法がないことから、そのための試験法の開発に向けた取り組みを進める。さらに、化学物質の脱皮ホルモン様作用につ
いては、in vivo のスクリーニング試験法の確立に向けた検討を行う。また、ノルウェー水研究所(NIVA)から、ミジンコの内分泌かく乱作用に関わるOECD の「Integrated Approach to Testing and Assessment 」(試験と評価の統合的アプローチ、IATA)のケーススタディが提出され、レビューが実施される予定であることから、NIVA へのヒアリングを行う。
3)最新情報の調査収集
内分泌かく乱化学物質に関する最新の国際動向を調査するため、欧米において開催される国際学会等に参加し、現地において必要な情報の収集等を行う。
(2)試験法の確立等に関する検討班会議への報告に係る作業
別途環境省が実施する二国間業務において、魚類、及び無脊椎動物を用いた試験法に関する専門家検討班会議を設置し、上記(1)の結果、及び今後のスクリーニング・試験法開発について検討するとともに、成果を評価することを予定している。この会議に提出するための資料を作成の上、同会議に請負者が出席し、必要に応じて資料に関する説明、質疑応答を行う。
(3)OECD への報告事項に係る打合せの実施
(1)、1)及び 2)の取組みについては、別途環境省が実施する二国間業務において、OECD のVMG-eco 会議(令和3年10 月頃)への報告を予定している。請負者は、業務の進捗状況等を踏まえて、上記業務において開催するVMG-eco 事前会議(令和3 年8〜9 月頃)に必要な資料を作成・印刷し準備し、参加する。
(4)化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会、国際会議等への報告に係る作業
上記(1)〜(3)について報告を行うため、環境省が別途開催する「化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会に提出するための資料を作成の上、検討会に出席し、必要に応じて資料に関する説明、質疑応答を行う。また、(1)の1)及び2)については、別途環境省が実施する二国間業務において、OECD の関連会議((3)のOECD の関連会議と同一)及び日英二国間会議で環境省が別途指定した専門家が報告することを想定しているため、本業務の請負者は環境省担当官と調整の上、必要な資料の準備・作成等、報告に係る補助作業を行う。
(5)報告書の作成
上記(1)〜(4)の結果を取りまとめた報告書を3部作成する。

今年度の研究概要

同上

関連する研究課題

課題代表者

山本 裕史

  • 環境リスク・健康領域
  • 領域長
  • Ph.D.
  • 化学,生物学,土木工学
portrait

担当者

  • 山岸 隆博環境リスク・健康領域
  • 渡部 春奈環境リスク・健康領域
  • 日置 恭史郎環境リスク・健康領域
  • 保田 隆子
  • 八木 文乃
  • 新宅 洋子
  • 阿部 良子
  • 小塩 正朗
  • 高橋 裕子