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ハナバチ保全のための新興疾病の統合的リスク評価(令和 3年度)
Emerging infectious diseases of bees in Japan: integrated risk assessment for conservation

研究課題コード
2022CD017
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
ミツバチ,農薬,腸内細菌叢,免疫機構
キーワード(英語)
honey bees,pesticides,gut microbiota,immune system

研究概要

近年ハナバチの減少が指摘されており、その原因として寄生ダニや微生物による新興疾病の流行が疑われている。本研究では、まずハナバチに潜在する病原生物を網羅的遺伝子解析により特定し、その分布と感染経路を可視化する。次に近年注目される農薬とハナバチの免疫低下の関係を明らかにして、疾病リスクを増大させる可能性を検証する。以上の結果をもとに、環境要因に基づく疾病発症の予測モデルを構築することにより、ハナバチの疾病発症リスクを統合的に評価し、保全管理に向けた有効な提言を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究では、ハナバチ減少の脅威となる新興疾病の発生と拡大を未然に防ぐことを目的とする。そのためにハナバチ全体に潜在する病原生物の分布を網羅的に把握するとともに、発症・重症化に寄与する農薬の特定およびそのメカニズムを解明する。これらの情報をもとに、疾病発症の環境要因を決定し、疾病リスクマップを構築する。

今年度の研究概要

?飼養および在来のハナバチを採集し、未知種を含めたあらゆるウイルス、細菌、寄生ダニ等を網羅的に探索する。?農薬曝露による疾病発症・重症化の実証実験作用機序の異なる殺虫剤・殺菌剤・除草剤各種をミツバチに曝露させ、疾病を重症化させる農薬種を特定する。?農薬がミツバチの免疫物質産生に与える影響調査病原体に対するミツバチ体内の各種免疫物質の有効性の評価、及び病原体感染前後の免疫関連因子の遺伝子発現変動のRNA-seq解析(次世代シーケンサーHiSeq)を実施する。

外部との連携

東京農工大学・産業技術総合研究所・農研機構

課題代表者

坂本 佳子

  • 生物多様性領域
    生態リスク評価・対策研究室
  • 主任研究員
  • 博士(緑地環境科学)
  • 生物学,農学
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担当者