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高磁場MRI/NMRによる非侵襲ヒト健康影響評価法の開発と応用(令和 3年度)
Developments and applications of analytical methods for evaluating impacts on environmental factors to human health using high-magnetic-field MRI and NMR

研究課題コード
2125AV012
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
MRI,NMR,脳,尿
キーワード(英語)
MRI,NMR,brain,urine

研究概要

ヒトを取り巻く環境や生活習慣が多様化する現代社会において、ヒト健康影響の多角的な解明は喫緊の課題である。この解決に向けて、ヒトの身体に負担をかけずに生体情報を取得できる非侵襲分析手法の高度化や、当該手法を用いたヒトの基礎情報の蓄積は重要である。本研究では、脳形態や脳内代謝などのヒト脳情報を非侵襲に取得できる高磁場MRIに加えて、非侵襲に採取できる尿検体からヒトの全身代謝情報を取得できるNMRを活用し、測定・解析法の開発や健常人ボランティア測定を行う。これらを通して、ヒト健康影響評価のための基盤拡充を図る。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

高磁場MRI研究では、2020年度までに開発された測定・解析法を用いた健常人ボランティア測定を進め、ヒトの脳形態や脳内代謝物などに関する基礎情報を蓄積する。一方、NMR研究では、尿中代謝物定量の正確さ向上のために、測定・解析法を高度化する。ヒト尿中代謝物の1H NMR測定では、豊富な軽水に埋もれた微量代謝物の高感度検出のために、強大な水シグナルを選択的に抑制する溶媒消去パルスの利用が不可欠である。そこで、最も古典的な溶媒消去パルスのプレサチュレーションパルスなどによるバイアスの定量的解明と、それを抑制できるデュアル照射法などを確立する。また、ヒト尿中代謝物のスペクトル解析では、シグナル同士がオーバーラップする複雑なスペクトルにおいて、成分ごとに正確に面積定量できる解析法が要求される。そこで、汎用のNMR用解析ソフトを用いて、デコンボリューションなど波形分離の正確さの評価と向上を図る。構築した測定・解析法は、NIST製ヒト尿標準物質などを用いて妥当性確認する。

今年度の研究概要

高磁場MRI研究では、2020年度までに取得済みの健常人ボランティア測定データの統計解析(生活習慣アンケート調査結果の導入検討を含む)に加えて、過去に測定済みの同一ボランティアの脳形態長期変化モニタリングのためのボランティア測定を行う。一方、NMR研究では、プレサチュレーションパルスによるバイアスを明らかにし、それを抑制できるデュアル照射法の考案および予備検討を行う。

外部との連携

高磁場MRI研究:山口雅之(国立がん研究センター)

関連する研究課題
  • 25566 : 環境リスク・健康分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
  • 25584 : 基盤計測研究(ア先見的・先端的な基礎研究)
  • 25586 : 基盤計測業務(ウ知的研究基盤整備)

課題代表者

斎藤 直樹

  • 環境リスク・健康領域
    計測化学研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 化学,工学
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担当者