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地域協働型の環境評価・管理基盤となる生態系モニタリング(リ健)(令和 3年度)
A comprehensive monitoring survey on megabenthos and the environment in the coastal water off Fukushima

研究課題コード
2125AX144
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
福島県沿岸,底棲魚介類,放射性核種,経年変化
キーワード(英語)
coastal water off Fukushima,megabenthos,radionuclides,temporal trends

研究概要

 2011年3月11日の東日本大震災に付随して発生した、東京電力福島第一原子力発電所における炉心溶融事故により、大量の放射性核種が環境中に放出され、広範な放射能汚染が生じた。われわれは2011年12月から福島県潮間帯で、また、2012年10月から福島県沿岸で、それぞれ、潮間帯の無脊椎動物と沿岸の底棲魚介類を主たる対象に、環境・生物調査を開始した。その結果、現在までに、1)特に原発近傍で潮間帯生物の種数と個体数密度が震災・原発事故後に減少し、2)その回復に4〜5年を要したこと、3)原発近傍でイボニシに通年成熟現象が観察されること(2017年4月〜継続中)が明らかとなり、また、4)沿岸では震災・原発事故後の漁業の操業が限定的であるにもかかわらず、底棲魚介類の総個体数密度が減少傾向にあり、5)魚類、甲殻類、棘皮類などの複数の種で再生産不全が生じている可能性が示唆されてきた。これらの現象について、それぞれ、原因と機構(メカニズム)を究明する必要がある。
 本研究では、その一環として、福島県沿岸において環境・生物調査を行い、福島県沿岸における環境の変化と底棲魚介類群集の動態を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 毎年度、夏季(6〜7月)と冬季(1〜2月)に福島県沿岸(30m以浅)の北部海域(相馬市沖)、中部海域(第一原発沖)及び南部海域(いわき市沖)に設定した9定点で試験底曳き調査を行い、同時に水・底質、動植物プランクトン及びベントスの各試料を採取/採集する環境調査を行う。底棲魚介類の種組成や個体数密度などを調べ、その経年変化を明らかにするとともに水・底質試料の化学分析やプランクトン・ベントスに関する生物学的解析を加え、環境因子の変化と魚介類群集の変遷との間の相関などを調べる。

今年度の研究概要

 夏季(6〜7月)と冬季(1〜2月)に福島県沿岸(30m以浅)の北部海域(相馬市沖)、中部海域(第一原発沖)及び南部海域(いわき市沖)に設定した9定点で試験底曳き調査を行い、同時に水・底質、動植物プランクトン及びベントスの各試料を採取/採集する環境調査を行う。底棲魚介類の種組成や個体数密度などを調べ、その経年変化を明らかにするとともに水・底質試料の化学分析やプランクトン・ベントスに関する生物学的解析なども実施する。

外部との連携

福島県水産資源研究所、鹿児島大学水産学部

関連する研究課題

課題代表者

堀口 敏宏

  • 環境リスク・健康領域
    生態系影響評価研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 水産学,生物学,解剖学
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担当者