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不活性ガスを用いたソフトイオン化GC×GC-HRTOFMS法による日本海深海堆積物中有機ハロゲン化合物の網羅的探索(令和 2年度)
Comprehensive search for organohalogen compounds in deep sea sediments of the Japan Sea by soft ionization GC×GC-HRTOFMS method using an inert gas

予算区分
LA 共同研究
研究課題コード
2020LA002
開始/終了年度
2020~2020年
キーワード(日本語)
ノンターゲット分析,ソフトイオン化,精密質量,堆積物
キーワード(英語)
non-target analysis,soft ionization,accurate mass,sediment

研究概要

 近年、化学物質の数は増加の一途をたどっており、2015 年にはCASの登録数が1 億を超えた。化学物質数の増加に伴い、環境中に放出される化学物質の種類も日々増加しているものと推測されるが、従来のターゲット分析では、その現実を正確に把握することが出来ない。その課題を克服するための一つの手段として、様々な化合物を網羅的に測定するノンターゲット分析が注目されている。これまで、高分離分析が可能な包括的2次元ガスクロマトグラフィー(GC×GC)と広い質量範囲において精密質量スペクトル取得が可能な高分解能飛行時間型質量分析計(HRTOFMS)を組み合わせたシステムで、電子イオン化(EI)法による環境試料ノンターゲット分析手法を開発し、様々な環境試料に適用してきた。しかし、従来のEI 法のみでは未知化合物の同定において課題があり、化学イオン化(CI)法の適用を検討してきたが、従来から知られているメタンを試薬ガスに用いたCI法では、様々な付加イオンが生成してしまい、分子イオンの識別が困難なことがある。そのため、フラグメントイオンの生成を最小限に抑え、付加イオンは生成しないと予想される不活性ガスを用いた新たなソフトイオン化法を開発してきた。
 本研究では、新たに確立したソフトイオン化法をGC×GC‐HRTOFMSを用いたノンターゲット分析手法に適用して日本海深海堆積物コア試料を測定し、従来法(EI法やメタンを用いたCI法)では検出が難しかった化合物を含む有機ハロゲン化合物の網羅的探索を行い、化学物質の海洋汚染の実態と経年変化を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 GC×GC-HRTOFMSによる環境試料ノンターゲット分析手法に、不活性ガスを用いた新たなソフトイオン化法を適用する。GC×GC-ソフトイオン化/EI-HRTOFMSを用いて兵庫県香美町沖の堆積物コア試料を測定し、異なるイオン化法で得られたデータを併用しながら試料中に含まれる有機ハロゲン化合物を包括的に解析する。年代の異なる堆積物コア試料中に存在する様々な化合物の網羅的探索を行うことで、これまでの測定データでは見落としていた化学物質の海洋汚染の実態と経年変化を明らかにする。新たなソフトイオン化法によって本試料を測定することにより、従来のCI法では検出が難しかった化合物の同定を試みるとともに、これまで構築してきた環境試料精密質量スペクトルデータベースを更新する。

今年度の研究概要

上記の全体計画にそって、研究を行う。

外部との連携

愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 国末 達也 教授

課題代表者

家田 曜世

  • 環境リスク・健康領域
    環境標準研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 化学
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担当者