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汽水湖に焦点を当てた全国湖沼における溶存有機物の分子量の定量的評価(令和 2年度)
Quantitative analysis of molecular weight of dissolved organic matter in lakes, with a focus on brackish lakes

予算区分
AN 所内公募B
研究課題コード
1920AN005
開始/終了年度
2019~2020年
キーワード(日本語)
溶存有機物,分子サイズ,汽水湖
キーワード(英語)
dissolved organic matter,molecular size,brackish lake

研究概要

溶存有機物(DOM)には易分解性の高分子と難分解性の低分子が存在し、その存在比は生物活動や塩分と関係するため、DOM分子量情報は湖沼流域での炭素動態の評価に有効である。しかし、汽水域では塩による分析妨害のため分子量の知見は皆無で、陸域から海洋への炭素動態を的確に評価できていない。本研究は、全有機炭素検出サイズ排除クロマトグラフィー(TOC-SEC)を用いて、汽水湖に焦点を当て、湖の炭素循環の根幹をなすDOMの存在濃度と分子量の測定を複数の湖(サロマ湖、小川原湖、中海、宍道湖、琵琶湖、霞ヶ浦、児島湖、八郎湖)で行う。鉛直分布、河川の流入、塩水遡上によるDOMの分子量の変化を定量し、炭素循環・輸送メカニズムを明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本研究は汽水湖のDOMに焦点を当て、その存在量と分子量の変動を調査し、湖内の炭素循環や輸送のメカニズムを明らかにすることを目標とする。
令和元年度は、汽水湖は年4回、淡水湖は夏季に1回、DOMの分子量と水質調査を行う。汽水湖のサンプルの分子量測定方法(脱塩等)の最適化を検討した後、DOMの分子量測定を行う。
令和2年度は前年度の結果を受け、汽水湖の流入河川と海域も調査対象とし、塩分とDOMの分子量の関連を調査し、陸域から海洋への炭素動態を評価する。

今年度の研究概要

令和2年度は、夏季を中心に汽水湖(サロマ湖、小川原湖、中海、宍道湖)で2〜3回の調査を行う。汽水湖については流入河川でも採水を行い、河川水が汽水湖に合流した際どのようなDOMの分子サイズ変化が生じるかを調査する。淡水湖については琵琶湖と霞ケ浦に集中し、琵琶湖に関しては毎月、霞ケ浦については隔月の採水を行いDOMの分子量データを集積する。前年度からの調査結果をまとめ学会発表、論文作成を進める。

外部との連携

汽水湖の調査においては、眞家永光(北里大学)、サロマ湖養殖漁業協同組合、島根県保健環境科学研究所の研究協力を得る。

関連する研究課題

課題代表者

霜鳥 孝一

  • 地域環境保全領域
    琵琶湖分室(地域)
  • 主任研究員
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