- 予算区分
- AQ センター調査研究
- 研究課題コード
- 1620AQ021
- 開始/終了年度
- 2016~2020年
- キーワード(日本語)
- 微生物分解,環境汚染物質,微生物生態系,遺伝子組換え
- キーワード(英語)
- biodegradation,environmental pollutants,microbial ecosystem,genetically engineered
研究概要
環境保全・浄化に向けて微生物機能を積極的に活用していくための基礎技術並びに影響評価法の開発を目的とする。そのために本研究では、1)有機塩素化合物、油、重金属等の環境汚染物質を分解・除去する微生物の探索を行い、その機能の解明および強化を試みるなど、環境保全に有用な微生物の開発やその利用方法について検討する、2)これら有用微生物あるいは組換え微生物の微生物生態系への影響を分子生物学的手法により解析するとともに新たな評価手法の開発を目指す。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
1)環境汚染物質分解・浄化機能を持つ混合培養系を探索し、さらに分解・浄化微生物の純粋培養を行うともに、得られた微生物の生理活性、遺伝子情報等の菌学的特性を明らかにする。さらにフラスコ・カラムを用いた浄化試験を行い、分解特性を明らかにし、効率よく微生物を活用するシステムの構築を目指す。
2)有用微生物、組換え微生物を環境利用する際に微生物生態系に及ぼす影響を分子生物学的手法により解析するとともに影響を受ける微生物の特定を試み、環境中での微生物間の相互作用について考察する。
今年度の研究概要
工場跡地の再開発等に伴う土壌汚染の顕在化が深刻な問題となっており、原因物質としてヒ素が高い位置を占めている。現在、それらの汚染土壌は、ほとんどの場合で掘削除去により処理されているが、極めて高コストである。本研究では、微生物によるヒ素の可溶化作用を利用した汚染土壌バイオレメディエーションを検討している。昨年度の研究から、Negativicutes綱に属する発酵性ヒ酸細菌が、未知のメカニズムでヒ素を可溶化することが明らかとなった。本年度は、新たに単離した発酵性ヒ酸還元細菌IPA-1株を用いて、ヒ酸還元能及びヒ素可溶化能を詳細に評価するとともに、可溶化メカニズムを明らかとする。また、ドラフトゲノム解析を行い、得られた塩基配列情報から、その特性を遺伝子レベルで把握する。
- 関連する研究課題