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河川における下水の検出・追跡センサー開発を目的とした下水由来蛍光物質の特性評価(令和 2年度)
Characterization of sewage-specific fluorophores for developing the sensor to detect/track the wastewater in the river

予算区分
KZ その他公募 河川基金助成事業
研究課題コード
2020KZ001
開始/終了年度
2020~2020年
キーワード(日本語)
下水,EEM,生物分解
キーワード(英語)
Wastewater, EEM (Excitation emission matrix), Biodegradation

研究概要

蛍光分析の一つであるEEM (Excitation Emission Matrix)法において検出されるピークのうち、励起波長480nm、蛍光波長520nm付近で確認されるピーク(480/520ピーク)は、下水試料のみで検出される特異的で興味深いものでありながら、既存の研究事例は皆無に等しい。本研究の目的は、分子サイズや水との親和性(疎水性/親水性)と言った側面から同ピーク発現物質の特性について明らかにすることである。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

480/520ピークを下水検出・追跡センサーとして利用できるようにするため、その起源、特性(特に生物分解特性)について明らかにするための研究を進める。

今年度の研究概要

1.480/520ピークの起源調査
下水処理場、浄化槽、農業集落排水処理施設、し尿処理場など様々な起源を持つ排水処理施設を対象に、水試料を採取する。採取した試料のEEMを測定し、480/520ピークの有無と強度(PARAFACスコア値)を比較することで、480/520ピークの起源を探る。

2.480/520ピークの特性評価
1.で採取した試料を限外濾過膜またはXAD-8樹脂により高分子/低分子画分、または疎水性/親水性画分に分画する。各画分のEEMを測定し、480/520ピークが持つ特性を評価する。

3.480/520ピークの生物分解特性調査
1.で採取した試料に対し生物分解試験を適用して、分解前後のEEMを比較し、480/520ピークの生物分解特性を把握する。同ピークが生物難分解性であれば、実河川において下水処理水のトレーサーとして適用できる可能性が高い。

備考

当研究課題の期間は、当初1年間だった。しかし新型コロナウイルス感染拡大に伴い、下水試料の入手が困難となる可能性が考えられるため、河川財団より提示された特別措置を適用することとし、2年間の研究期間に変更した。

課題代表者

小松 一弘