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全球スケールにおける反応性窒素影響の統合的把握と将来予測(平成 31年度)
Comprehensive evaluation of reactive nitrogen threats at a global scale in past and future

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1820CD002
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
反応性窒素
キーワード(英語)
reactive nitrogen

研究概要

”全球スケールにおける反応性窒素影響の統合的把握と将来予測”の目的は、現状の全球規模での包括的な反応性窒素影響の把握と、機械学習とシナリオによる潜在リスクの将来予測を行う事を目的としている。科学論文や報告書等の文献によって報告されている顕在化した反応性窒素影響を全球スケールで分野横断的(大気、水質、多様性、健康など)に集約してデータベースを作成することによって、その時空間の変動を明らかにする。作成されたデータベースと社会経済的要因や気象環境要因を利用して、機械学習によって潜在的な反応性窒素マップと作成し、文献調査では掬い取れない高いリスク地域の抽出、および機械学習で得られた関係式からIPCCの将来社会シナリオに基づいた将来予測を試みる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究は文献サーベイに基づいて、反応性窒素に関わる諸問題の抽出を行い、知見の集約化とデータベース作成を目指す。付随する地理情報や地名をもとに、マップ化されたデータベースを作成する。反応性窒素による諸問題を分野毎(大気、陸域、陸水、沿岸域、都市、健康、多様性など)に整理して、インベントリの作成・精緻化した上で、データベースの公開を行う。作成したデータベースおよび様々な環境・経済情報データを利用して、Max Entropy法を用いて解析し、潜在リスクマップを作成する。これらを持って、統合的なリスクの可視化、それらの地域特性や時間的な変動・ホットスポットの把握を行い、包括的な反応性窒素過剰問題の現状把握と将来予測を目指す。
主に研究は主に以下の3段階の行程を持って研究を遂行する。

1. 文献調査によって顕在化影響の収集し、データベース作成
2. 作成したデータベースを利用して統計解析、潜在リスクマップの作成と要因解析
3. 統計モデルを利用した将来シナリオ解析

文献収集は各リスク項目(詳細は後述)、少なくとも100件以上のデータの収集を目標とする(Max Entropy法への適用のため)。作成したデータベースは公開を前提として用意する。集めたデータを利用して、時空間情報を整理し、窒素影響の顕在化について時空間的変遷や地域ごとの特徴付けやホットスポットの特定、および統計解析に依る潜在リスクマップの作成とホットスポットの特定を行う。調査対象は、Web of scienceに報告されている、査読付き論文や自治体等報告書を対象とし、WHOなどの国際機関の出版物も含める。

今年度の研究概要

今年度も引き続き、文献収集を行い、データベースの完成を目指す。
データベースを利用した統計モデルの作成を行う。

外部との連携

IIASA、Institute of Soil Science, CAS, Peking University、北大、農研機構

課題代表者

仁科 一哉

  • 地球システム領域
    物質循環モデリング・解析研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 林学,農学,コンピュータ科学
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