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環境DNAを用いた全国の河川におけるニホンウナギの分布・生息量推定(平成 31年度)
Estimation of distribution and abundance of Japanese eel in Japanese rivers using environmental DNA (eDNA)

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1720CD002
開始/終了年度
2017~2020年
キーワード(日本語)
ニホンウナギ,環境DNA,資源量推定
キーワード(英語)
Japanese eel, eDNA, abundance estimation

研究概要

近年ニホンウナギ(以降、ウナギとする)の資源量は著しく減少しており、2014 年には国際自然保護連合により「絶滅危惧1B 類」に指定された。しかし、我が国の河川におけるウナギの分布については不明な点が多い。特に国内の河川における資源量については、全く推定できていない。
一方、近年の申請者らの研究により、生物を捕獲することなく、生息域の水を採集・分析するだけで対象生物の分布や資源量を推定する環境DNA 分析手法が確立されつつある。そこで本研究では、環境DNA を用いて日本全国の河川のウナギの分布と資源量を推定することを目的とする。そして河川の構造や環境、そして生態系を分析し、ウナギの分布や資源量と照らし合わせることで、好適な河川環境条件の抽出を行い、ウナギの保護と資源の再生に向けた具体策を検討、提示する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

まずウナギの種特異的プライマーを作成する。そのプライマーを用いて、全国の河川下流域において採水した水サンプル中に含まれるウナギのDNA を分析する。これにより、全国のウナギの分布が明らかとなる。また環境の異なる10 河川を選定し、ウナギを採集して耳石の13C と18O を分析し、各河川に生息しているウナギの天然ウナギと放流ウナギの割合を推定する。水槽実験では水温や塩分等の環境条件が水中へのDNA 放出量や分解速度に及ぼす影響を調べる。これらの結果を統合して、全国の河川における天然ウナギのバイオマスを推定する。最後に、分布やバイオマスと河川の環境情報を照らし合わせることで、ウナギにとって最適な環境を導き出し、ウナギ資源の保護政策を提言し、河川整備計画や資源管理などでの活用を目指す。

今年度の研究概要

2019年度はウナギの移動阻害地点の把握と資源量推定に重点を置き、新たな空間情報の整備(河川横断構造物・流域内流路網・詳細土地利用・河畔林分布・水質変化等)を進めると同時に全国の主要河川において流域診断を行う。また生息適地の評価時間軸を拡大し、1970年代以降の水質変化に着目してその長期変動を時空間的に視覚化すると共に、その解析を通じてウナギ資源量の変化要因を分析する。またこれらの長期的な景観の変容を鑑みて調査地域を絞り込み、環境DNA分析を通じて具体的な移動阻害個所の特定を進める等、より地域の実情を反映した適応策を検討する。

外部との連携

本研究課題は、課題代表者(笠井亮秀;北海道大学水産科学研究院)の下、以下の研究者が協働して研究を推進する。
研究代表者:木村伸吾・東京大学・大気海洋研究所教授
研究分担者:益田玲爾・京都大学・フィールド科学教育研究センター教授
研究分担者:山中裕樹・龍谷大学・理工学部講師
研究分担者:亀山哲・国立環境研究所・生物生態系環境研究センター主任研究員
研究分担者:山下洋・京都大学・フィールド科学教育研究センター教授
研究分担者:東信行・弘前大学・農学生命科学部教授

備考

関連する外部資金等による研究
文部科学省・平成30年度科学研究費補助金,基盤研究(C)(2018〜2022年)
研究代表者;亀山哲,今藤夏子,松崎慎一郎
  環境DNAを用いた回遊性魚類の移動経路の回復と生息地復元に基づく流域生態系の再生
公益財団法人研究基金(2018-2021年)
  日本財団・京都大学森里海連環再生プログラム---LinkAgainつなごう森里海---,
  研究代表者;京都大学山下洋・伊勢武史,北海道大学笠井亮秀・国環境(自然科学班:陸チーム代表   亀山哲)

課題代表者

亀山 哲

  • 生物・生態系環境研究センター
    生態系機能評価研究室
  • 主任研究員
  • 農学博士
  • 生物学,情報学,農学
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