ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

絶滅危惧種を対象とした流域圏における回遊環境の保全と再生(平成 31年度)
The Conservation-restoration of Endangered Species Migration in Watershed

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1620AQ016
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
絶滅危惧種,自然再生,森里川海,瀬戸内海,鰻,地理情報システム
キーワード(英語)
endangered species, nature restoration, forest, rivers, sea and satoyama, Seto Inland Sea, eel, Geographic Information System

研究概要

全国の主要流域圏と特に瀬戸内海流入流域圏を対象とし,国際的絶滅危惧種となったウナギ類を含む絶滅危惧回遊魚の生息地評価を行い,過去から現在までの時空間変動を解析する。さらにその主要因(河川における回遊阻害・陸域生息環境の劣化等)の評価と改善を目的として「回遊魚を育む流域再生プロジェクト」を実施する。最終的に一連の研究フローを統合し、効率的に運用可能なシステム化を試みる。
資源量が激減しつつあるウナギ類等回遊性魚類の生息環境の再生を図る上では,生態系を無視した工学的技術の適応,また局所的現象に着目した個別研究では,実質的な効果を得ることは出来ない。森川里を繋ぐ健全な生態系と、そこに生息する魚類群の生息実態を定量的に分析し,「生息環境の変容要因」と「資源量の時空間的動態」との因果関係を定量的に理解〔モデル化〕する事が必要である。さらにその知見に基づき流域生態系本来の再生能力〔治癒力〕を復元する将来的な地域デザインを検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では,日本全国の主要流域圏のウナギ類を始めとする絶滅危惧淡水魚類を対象とし,以下のステップを段階的に実施する。1 GISデータベース構築;ここでは特に、日本全国淡水魚類・河川内横断構造物による流域分断データ・日本全国流域圏水質・生息地環境属性情報等のデータを一元的に統合化する。またeDNA分析等を用いた広域的な生息地情報を整備し、移動阻害要因の分布と統合する。2. 空間統計モデル構築;1.の生息地情報と生息環境属性データデータを活用し、生息適地ポテンシャルの推定を目的としたモデルを構築する。3. 生息地推定モデルの全国デジタルマッピングと流域再生シナリオの構築。対象種の生息地再生のために必要な改善パラメータの特定と定量化を行い、それに基づく再生オプション(魚道の設置・改修、水質改善、堰の運用変更等)の構築を実施する。
最終的には1-3の知見を統合化し、絶滅危惧回遊魚類の移動環境を再評価すると共に、地元関連部局と改善策を検討し社会実装を目指す。

今年度の研究概要

2019年度は、ウナギの移動阻害地点の把握と資源量推定に重点を置き、新たな空間情報の整備(河川横断構造物・流域内流路網・詳細土地利用・河畔林分布・水質変化等)を進めると同時に流域診断を継続的に行う。また生息適地の評価時間軸を拡大し、明治初旬以降の里山里海の変化を視覚化すると共に、資源量の変化要因を分析する。またこれらの長期的な景観の変容を鑑みて調査地域を絞り込み、環境DNA分析を通じて具体的な移動阻害個所の特定を進める等、より地域の実情を反映した適応策を検討する。

外部との連携

研究課題は、国立環境研究所(亀山哲主任研究員;生物生態系環境科学研究センター)を中心に、以下の研究者と研究機関が協働して研究を推進している。
愛媛大学大学院 理工学研究科 環境機能科学専攻 井上幹生教授
愛媛大学大学院 工学研究科 生産環境工学専攻 三宅洋准教授
徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 川口洋一准教授

備考

科研費基盤C(亀山哲代表)
 「環境DNAを用いた回遊性魚類の移動経路の回復と生息地復元に基づく流域生態系の再生」
科研費基盤A(笠井亮秀代表)
 「環境DNAを用いた全国の河川におけるニホンウナギの分布・生息量推定」
日本財団・京都大学(山下洋・伊勢 武史代表)
 「森里海連環学研究プログラム-Link Againつなごう森里海-」


課題代表者

亀山 哲

  • 生物・生態系環境研究センター
    生態系機能評価研究室
  • 主任研究員
  • 農学博士
  • 生物学,情報学,農学
portrait