- 予算区分
- AQ センター調査研究
- 研究課題コード
- 1620AQ010
- 開始/終了年度
- 2016~2020年
- キーワード(日本語)
- 生態毒性,AOP,統計学,定量的構造活性相関,複合影響,IATA
- キーワード(英語)
- ecotoxicity, adverse outcome pathway, statistics, quantitative structure activity relationship, mixture toxicity, integrated approaches to testing and assessment
研究概要
化学物質の数や量の増加に伴い、その性質も多様化しており、それらに対応する生態毒性試験や評価方法の確立が求められる。その中で、分子レベルから細胞、組織、個体、生態系レベルに至る化学物質の作用メカニズムに基づいてその経路を確立していくAdverse Outcome Pathway (AOP)を構築し、それらを考慮しながら(Quantitative) Structure Activity Relationship ((Q)SAR)や各種統計学的手法などのin silico解析や様々なin vitro試験を組み合わせることで、個体レベルでの影響を予測するという統合的なアプローチIntegrated Approaches to Testing and Assessment (IATA)をおこなう取組も重要となる。本課題では、まず様々な生物種(水生・底生生物、淡水・海産生物など)を用いた試験や長期・多世代の影響を調べる生態毒性試験手法の開発をおこなう。また、環境中に生息する生物種に対する化学物質の複合影響や環境水の総体的評価に必要な手法の構築及び、生態影響分野においてQSARやAOPなどを含む作用メカニズムに基づく毒性や影響を予測する手法を体系化したIATAの確立を目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
1)水生・底生ならびに淡水・海水といった多様な生物種を用いた生態毒性試験や長期・多世代の影響を調べる試験手法の開発をおこなう。
2)主に水生生物に対する化学物質の複合影響や環境水の総体的評価手法を構築し、生態毒性評価の体系化を目指す。
3)統計学に基づく手法、QSARおよびAOPを含む作用メカニズムに基づくによる生態毒性予測手法の構築をおこない、IATAによる体系化を目指す。
今年度の研究概要
今年度は、昨年度に引き続き(Q)SARやQAAR、カテゴリーアプローチをはじめ、計算科学的手法を用いて化学物質の生態毒性予測に関する研究をさらに進める。また、ミジンコ多世代試験や底生生物(ヨコエビやユスリカ等)を用いた試験法の開発に関する検討を進めるとともに、無脊椎動物の幼若ホルモンや脱皮ホルモン等に関するAOP開発について検討を進める。さらに、混合物や河川水、河川底泥の生態毒性試験を実施するとともに、IATAに関する検討を進めて必要な生態毒性試験アルゴリズムに関して、化審法その他の化学物質管理への適用可能性を含めて検討をおこなう。