- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1820CD009
- 開始/終了年度
- 2018~2020年
- キーワード(日本語)
- 二酸化炭素排出量,化石燃料,放射性炭素同位体,大都市
- キーワード(英語)
- carbon dioxide emission,fossil fuel,radiocarbon,megacity
研究概要
化石燃料の消費統計に基づく二酸化炭素(CO2)排出量の推定値は、実際の排出量とは1〜2割も異なる可能性が国内外で報告されている。都市域はCO2の一大排出エリアであるため、この排出量の誤りは排出削減の努力に水をさす。さらに、地球規模の炭素循環の推定においても誤差の原因となる。この問題を解決するため、ガソリン・都市ガス・植物呼吸といった排出起源別のCO2排出量を気象学的に直接計測する手法を開発する。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
東海大学代々木キャンパス(東京都渋谷区)において乱流計測を行い、渦相関法を用いて CO2の総輸送量を測定する。同時に大気CO2中の放射性炭素同位体比と酸素濃度の測定を行う。放射性炭素同位体比からは大気中の炭素の起源が化石燃料の燃焼によるものか、植物の呼吸によるものなのかがわかる。また、酸素濃度からは化石燃料のうち、ガソリン、天然ガスのどちらが燃焼して生成され た二酸化炭素なのかがわかる。したがって、計測されたCO2総輸送量を炭素同位体比と酸素濃度で案分することにより、排出源(自動車、家庭、植物)ごとの排出量を求めることができる。
今年度の研究概要
東海大学代々木キャンパスにおいて定常的な大気サンプリングを実施して、CO2中の放射性炭素同位体比の分析を行う。
外部との連携
防衛大学校(研究代表者)、産業技術総合研究所との共同研究
課題代表者
寺尾 有希夫
- 地球システム領域
物質循環観測研究室 - 主任研究員
- 博士(理学)
- 地学,理学