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ノンターゲット分析手法を用いた兵庫県沖堆積物コア試料中化学物質の網羅的測定と時空間的解析(平成 31年度)
Comprehensive measurement and spatial-temporal analysis of chemical substances in sea sediment core off Hyogo prefecture by non-target analysis method

予算区分
LA 共同研究
研究課題コード
1919LA001
開始/終了年度
2019~2019年
キーワード(日本語)
ノンターゲット分析,精密質量,堆積物
キーワード(英語)
non-target analysis,accurate mass,sediment

研究概要

 近年、環境中に排出される化学物質の数が増加の一途をたどる中、多種類の化学物質を網羅的に測定可能なノンターゲット分析手法の需要が高まっている。これまで、多次元ガスクロマトグラフィ/高分解能飛行時間型質量分析法(GC×GC-HRTOFMS)(EI法)を用いたノンターゲット分析手法を開発し、様々な環境試料に適用してきた。GC×GC-HRTOFMSは、未知の化学物質を含めた多成分の同時検出が可能であり、これを貴重な試料の分析に用いることにより、従来のターゲット分析手法では見落としていた可能性のある化学物質を含めた包括的な汚染実態を明らかにすることが出来ると期待される。その一方で、ノンターゲット分析によって得られた貴重な情報を蓄積し、将来にわたって環境分野で活用していくためには、環境試料中に検出された化学物質による精密質量スペクトルデータベースの構築が欠かせない。
 昨年度まで、GC×GC-HRTOFMSによるノンターゲット分析手法を日本海深海堆積物コア試料に適用することを目的とし、従来の電子イオン化(EI)法に加えて、新たに化学イオン化(CI)法の適用を検討してきた。これまでのところ、GC×GC-HRTOFMS におけるCI法の検討と河口域の表層堆積物への試験的適用、コア試料中有機物の炭素・窒素濃度と炭素安定同位体比測定、放射性同位体を用いたコア試料の堆積年代の推定を行った。本年度は、新たに確立したGC×GC-HRTOFMS (EI/CI法)を用いて堆積物コア試料の測定を行い、コア試料中に存在する化学物質の時空間的解析を行うと同時に、検出された化学物質の精密質量スペクトルの蓄積を進める。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 GC×GC-HRTOFMSにおけるCI法と従来のEI法を用いて兵庫県香美町沖の堆積物コア試料を測定し、網羅分析を行う。年代の異なるコア試料中に存在する様々な有機ハロゲン化合物の比較解析を行い、これまで見落とされていた化学物質の海洋汚染の実態と経年変化を明らかにする。また、本試料をCI法によって測定することにより、新たに堆積物中に検出された化合物の精密質量スペクトルや保持指標などの情報を利用し、環境試料精密質量スペクトルデータベースに登録する。

今年度の研究概要

上記の全体計画にそって、研究を行う。

外部との連携

愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 国末 達也 教授

課題代表者

家田 曜世

  • 環境リスク・健康領域
    環境標準研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 化学
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担当者