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最終処分場ならびに不法投棄地における迅速対応調査手法の構築に関する研究(平成 31年度)
Establishment of emergency survey methods for landfill and illegal dump sites

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1719AH003
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
廃棄物最終処分場,不法投棄,現場観測,生活環境保全
キーワード(英語)
waste landfills,illegal dumps,field monitoring,living environment safety

研究概要

廃棄物最終処分場に起因する水環境への影響(浸出水による公共用水域の汚染等)、大気環境への影響(悪臭・有害物質の排出等)、ならびに、その他の生活環境安全性の支障(火災、崩落等)を未然に防止するためには、平時の定期的な現場モニタリングに加えて、問題発生時には迅速な原因究明と環境影響の評価が求められる。特に、事前情報が限られる不適正処分場や不法投棄地、災害等に伴う堆積廃棄物、特定一般・産業廃棄物を埋め立てた処分場の異常時対応においては、汚染の原因物質群の同定や汚染源と範囲の確認等の作業が短時間で求められることから、迅速対応が可能な検査体制の整備が重要である。しかし、調査項目や手法は多岐にわたることから、効率的な調査項目の選定や実施する調査の習熟度が必要となる。本研究では、定期モニタリングのための「廃棄物最終処分場のための現場調査法(山田正人ら編著)」をベースとし、地方環境研究所(以下、地環研)の有する調査手法と経験を総合化して、迅速に対応できる調査手法を構築する。参加地環研が共同で調査を行い、観測結果とその評価手順を共有することで、各機関相互の調査および評価能力の向上を図る。また、この共同研究活動を通じて、事案発生時における自治体横断的な支援体制を構築することを提案する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

[平成29年度]
立地・環境条件、管理対象廃棄物の性状、管理状況に応じた廃棄物最終処分場の定常的検査・観測項目とその手法について分類および整理する。調査頻度、準備状況、支出状況についてヒアリングを行うとともに、採用されている調査手法の妥当性や改善に関する検討を行うための現場調査を実施する。
[平成30年度]
廃棄物最終処分場および不適正処分・不法投棄現場における作業安全および生活環境保全に係る安全性確保の緊急度に応じた検査項目とその手法の分類・整理を行う。現地調査を通じて、簡易・迅速評価調査手法の改善および現場適用化を図る。それら成果を前年度に作成した標準手順書に反映させ、事案発生時に各自治体が主導となり迅速に現状把握、評価・判断可能となるように改良する。
[平成31年度]
過年度より引き続き、現場観測事例の蓄積ならびに観測手法の開発を継続的に行う。観測事例を含む知見の情報共有プラットフォームを構築し、自治体の横断的な支援体制を確立する。さらに、生活環境保全上の緊急性に応じた現場観測ガイドラインを作成する。

今年度の研究概要

過年度より引き続き、現場観測事例の蓄積ならびに観測手法の開発を継続的に行う。不適正処分場を対象とし、現場の状況や緊急度に応じた調査項目と現場観測手法を選定する。昨年度までに開発した簡易・迅速調査手法について、不適正処分場への現地適用性を評価し、改善および最適化を図る。これら知見を反映し、事案発生時の緊急性に応じた初動調査法および簡易・迅速評価調査手法の標準手順書を作成する。本研究活動を基盤とした、自治体の横断的な支援体制を構築する。

外部との連携

埼玉県環境科学国際センター、千葉県環境研究センター、長野県環境保全研究所、福井県衛生環境研究センター、大阪府立環境農林水産総合研究所、岡山県環境保健センター、広島県立総合技術研究所保健環境センター、福岡県保健環境研究所、沖縄県衛生環境研究所、三重県保健環境研究所、島根県保健環境科学研究所、兵庫県環境研究センター、宮城県保健環境センター、鹿児島県環境保健センター

課題代表者

山田 正人

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 室長(研究)
  • 京都大学博士(工学)
  • 工学,生物工学,化学工学
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担当者