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微小粒子状物質(PM2.5)とその成分曝露がもたらす妊婦・胎児の健康影響評価(平成 30年度)
Adverse health effects of PM2.5 component on pregnancy woman / fetus

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1818CD001
開始/終了年度
2018~2018年
キーワード(日本語)
微小粒子,健康影響,妊婦,胎児
キーワード(英語)
particulate matter,health effect,pregnancy woman,fetus

研究概要

健康影響が指摘されているPM2.5について、日本において年平均値は環境基準(15 μg/m3)を下回るような状況になりつつある。しかしながら、このような濃度の低い状況下においてもPM2.5の曝露が人の健康に影響するのかどうか、特に、より環境への感受性が高いと想定されている胎児への影響があるのかどうか、については不明である。本研究は、日本において妊婦へのPM2.5とその成分曝露による周産期影響(とくに胎児発育への影響)があるのか、影響するとしたらその大きさはどの程度なのか、調べる事を目的とする。PM2.5を含む黄砂(黄砂日にはPM2.5濃度が上昇する)との関連性についても分析する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 曝露データ(大気汚染曝露データ)とアウトカムデータ(周産期アウトカムデータ)のデータクリーニングを行い、2つのデータを突合させた疫学統計解析データベースを作成する。その後、曝露あるいはアウトカムの専門家と議論しながら、統計解析計画を作成する。なお本研究プロトコールは、すでに国立環境研究所と九州大学の倫理審査委員会の承認を得ている。大気観測については、PM2.5の成分組成(SO4、NO3、有機物など)について、福岡では我々が連続モニタリングを行い、東京と大阪では研究協力者が測定したデータの提供を受け(協力者了承済)、3都市におけるPM2.5成分の日平均濃度をとりまとめる。黄砂については、レーザー光を用いたLIDAR装置で黄砂濃度を測定し、日本の9都市における黄砂日と黄砂濃度データを整理する。アウトカムデータについては、日本産科婦人科学会周産期委員会から周産期登録データベースのデータ提供を受ける(データ提供承認済)。この臨床データを疫学研究で使用できるようにクリーニングし、周産期アウトカムデータを取りまとめる。そして、大気環境測定やアウトカムデータ収集は継続して実施するので、それらを取り込んで疫学統計解析データベースのアップデートを行う。最新のデータベースを利用して疫学統計解析を実施し成果を論文として公表するとともに、積極的に国内国際の関連学会で発表していく。可能であれば、成果を元に最終年度には健康影響予測評価(Health Impact Assessment)を行う。

今年度の研究概要

 平成30年度は、データベースの整理、及び、先行的に測定に取り組んでいて過去の曝露データの蓄積がある黄砂を中心に周産期影響評価を進めていく。

外部との連携

道川武紘(研究代表者)
東邦大学医学部公衆衛生学・講師
諸隈誠一(分担研究者)
九州大学医学研究院・教授

課題代表者

山崎 新

  • 環境リスク・健康領域
    エコチル調査コアセンター
  • センター長
  • 博士(社会健康医学)
  • 医学
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担当者