ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

海産・汽水生物を用いた慢性毒性短期試験法の開発(平成 30年度)
Development of short-term chronic toxicity tests using marine and estuarine species

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 5-1803
研究課題コード
1820BA003
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
海産生物,慢性毒性短期試験
キーワード(英語)
marine organism,short-term chronic toxicity test

研究概要

現在、海産生物を用いた試験法には、水産庁の海産生物毒性試験指針において示されている生態毒性試験法として、海産藻類(珪藻など)を用いた生長阻害試験に加えて、無脊椎動物としてクルマエビ等の急性毒性試験、シオダマリミジンコの繁殖毒性試験、魚類としては、マダイやヒラメを用いた急性毒性試験、マミチョグやジャワメダカを用いた初期発達段階試験などが記載されている。しかし、個体群の維持の評価の観点からは、生態系で重要な役割を果たし、かつ比較的高感度の種を用いて、成長や繁殖などをエンドポイントとし、感受性の高いもしくは複数のライフステージに跨った慢性試験が必要と考えられる。
本事業では、排水等の保存性や試験の長期化に伴う費用の観点から、短期で実施できる慢性毒性試験法を開発する。また、策定した試験法に基づき、複数試験機関によるリングテストなどを通じて標準化・規格化を行い、より完成された試験法案を提案する。
対象は淡水生物で利用されている藻類、甲殻類、魚類の3生物群を基本とするものの、水産資源ならびに海洋生態系としても重要な海藻類や貝類なども検討対象に加える。この試験法開発の成果は、海域へ排水を放流する事業所の排水やバラスト水中の化学物質管理、そして海域における水生生物保全のための環境基準策定、さらには海洋鉱物資源の掘削時に発生する揚鉱水の評価などの環境政策の遂行にも利用可能となることが期待できる。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 1年目は水産庁の海産生物毒性試験指針をはじめとした国内事例、ISOなどの国際標準化された方法、米国環境保護庁のWET試験法などの文献調査に基づいて予備的な検討を実施し、対象生物種の絞り込みをおこなうとともに、試験手順の草案を作成する。2年目には、1年目に定めた試験生物種・試験法案に基づいて、参画する4機関のほかに外部機関にも依頼してリングテストを実施し、課題の抽出、解決に向けた改善を実施する。3年目には、2年目と同様に参画する4機関のほかに外部機関にも依頼してリングテストを継続実施し、抽出された課題を解決し、「海洋生物を用いた慢性毒性短期試験法(案)」を完成させる。

今年度の研究概要

サブテーマ1:海産藻類(珪藻、藍藻、緑藻、ハプト藻等)については淡水生物の生長阻害試験(OECDテストガイドラインNo. 201や生物応答を用いた排水試験法(検討案)と同様の試験)について、適用可能性の高い藻類種の絞り込みをおこなう。また、水産庁の海産生物毒性試験指針、ISO試験法、米国環境保護庁のWET試験法などの国内外の文献調査や試験手順の草案の作成を中心となって行う。
サブテーマ2:サブテーマ3と共同して初期生活段階試験を実施した経験のあるマミチョグ、急性毒性試験を実施した経験のあるマダイ・シロギス等の海産魚について胚・仔魚期短期毒性試験(OECDテストガイドラインNo. 212や生物応答を用いた排水試験法(検討案)と同様の試験)、幼魚成長試験(OECDテストガイドラインNo. 215と同様の試験)などの(亜)慢性毒性の短期試験法の開発を行う。さらに、ワカメ等の海産大型藻類を対象とした慢性試験法についても検討を行う。
サブテーマ3:サブテーマ1、2、4と共同して、シオダマリミジンコ、クルマエビ、カイアシ類、フサゲモクズなどの海産甲殻類について、繁殖や成長をエンドポイントとした短期の毒性試験法の開発を行う。さらに、バイやアワビ等の貝類幼生を用いた短期の慢性毒性試験法の開発を行う。
サブテーマ4:初期生活段階試験やフルライフサイクル試験の実施経験のあるジャワメダカ等の汽水魚について胚・仔魚期短期毒性試験(OECDテストガイドラインNo. 212や生物応答を用いた排水試験法(検討案)と同様の試験)、幼魚成長試験(OECDテストガイドラインNo. 215と同様の試験)などの短期の毒性試験法の開発を行う。また、サブテーマ1、2と共同で汽水のアミなどの甲殻類について、繁殖や成長をエンドポイントとした短期の(亜)慢性試験法の開発を行う。

外部との連携

サブテーマ2:国立研究開発法人水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所
サブテーマ3:公益財団法人海洋生物環境研究所
サブテーマ4:国立大学法人鹿児島大学

課題代表者

山本 裕史

  • 環境リスク・健康研究センター
  • 副センター長
  • Ph.D.
  • 化学,土木工学,生物学
portrait

担当者