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適応策立案支援のための地域環境を考慮した多元的脆弱性評価手法の開発(平成 30年度)
Development of multivariate vulnerability assessment method considering regional environment for adaptation planning support

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 2-1708
研究課題コード
1719BA013
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
適応,地域環境
キーワード(英語)
adaptation, regional environment

研究概要

地域環境の脆弱性の違いにより気候変動によるリスクは異なるため、そのリスクを多元的に捉えることで、国・地域の適応計画をより効率的効果的に実施することが可能となる。このような背景を元に本研究は次のサブテーマから構成される。
 サブテーマ1において、既往の影響評価研究を踏まえ、新たにサブテーマ2が提示する脆弱性指標を用い、適応計画立案のための多元評価システムVulpes(Vulnerability Pluralistic Evaluation System)を開発する。具体的には、既往影響評価結果を集約化し、地域における脆弱性を多元的にスクリーニングする手法を開発する。さらにサブテーマ2から提供される脆弱性評価指標を基に、将来の社会経済変化に関する情報を実装し、多元的評価を人工知能によって推論するシステムを開発し試験的評価を行う。
 サブテーマ2は、脆弱性の概念の整理と地域脆弱性についてその評価手法の開発と指標による推定を行う。具体的には概念整理・定義付けにあたり、気候変動の適応分野に加えて同様・類似の概念について既往研究について幅広く情報収集し、概念の整理を行う。主たる影響分野ごとに脆弱性指標候補をリスト化し関連情報とともにデータベース化する。次にこのリストから、各影響分野に脆弱性の指標群のパッケージを抽出する。最後に、専門家へのヒアリング等を通じて各脆弱性指標の重要度を推定し、日本全国における地域ごとの脆弱性評価を実施可能なフレームワークを確立する。またサブテーマ1と2の出力の比較検討も行う。
 本研究は初期段階から、研究者や政策決定者等へのヒアリング、及び連携自治体(福島県を想定)への試用を通じて、実用性を高める。さらに気候変動に留まらない様々なリスクに対する脆弱性評価についても連携自治体と検討し、立案支援の研究としての将来的ニーズも探る。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

 本研究では、既往研究における気候変動影響・リスク評価の結果を集約化し(サブテーマ1)、脆弱性に関する概念などを整理することによって新たに開発する予定の地域環境脆弱性指標(サブテーマ2)を用い、地域別の脆弱性について多元的に評価を行うシステムVulpes(Vulnerability Pluralistic Evaluation System)を開発する(サブテーマ1, 2)。Vulpesは2段階のシステムをとり、Vulpes Iは気候変動による影響・リスクの地域分析、重要度による優先対策地域の検出(脆弱性スクリーニング)を行い、2年目末における早期出力を目指す(サブテーマ2)。Vulpes IIは人工知能を用いた意味論的推論によって地域環境における脆弱性評価を行う。Vulpes Iの出力結果とIIの出力の比較を行い、確度についての検討も行う(サブテーマ1)。
 本システムは実際に適応策を立案する自治体や企業の担当部課でも運用可能であることを目指す。また気候変動だけでなく地域における様々な脅威とそれに対する脆弱性を包含的に分析する拡張性を持たせる。

今年度の研究概要

前年度収集した脆弱性指標候補リストについて、影響モデルへの組み込みの可能性やデータの入手可能性等にも鑑みつつ、影響分野ごとの指標群パッケージを抽出する。また、特定の分野においては実際にそれらを用いた脆弱性評価手法について検討を行い、可能な限り具体的に試行する。脆弱性評価手法の提案にあたっては、モデル化のプロセスと連携をとることで開発を進め、早期のVulpes Iとしての出力を目指す。
 また、2050年までの将来シナリオ設計を福島県から東北地方全体に拡張し、気候変動および人口減少にともなう地域の脆弱性の空間分布を明らかにする。連携自治体等に対して、前年度に開発したVulpesプロトタイプやデータベースについて意見を求め、問題点を抽出する。その結果を踏まえ、データベースやシステムの改良を行う。さらに、脆弱性概念の分析結果を用いて、多様な分野(例えば水資源、農業、地域社会)の脆弱性が地域環境に与える波及プロセスを明らかにしつつ、その影響を多元的かつ統合的に評価をするための手法(Vulpes II)を開発する。

外部との連携

株式会社E-konzal

課題代表者

大場 真

  • 福島支部
    地域環境創生研究室
  • 室長
  • 生物学,情報学
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担当者