- 予算区分
- BA 環境-推進費(委託費) 2-1504
- 研究課題コード
- 1517BA005
- 開始/終了年度
- 2015~2017年
- キーワード(日本語)
- 炭素循環,熱帯泥炭林,MRV
- キーワード(英語)
- Carbon cycle,Tropical swamp forest,MRV
研究概要
インドネシアを中心とした東南アジアには25万km2におよぶ熱帯泥炭地が分布しており,膨大な量の有機炭素を泥炭として蓄積してきた。しかし、大規模な農地(プランテーション)開発や泥炭林の伐採が行われた結果、乾燥化が進み、泥炭の好気的分解(CO2の排出)が加速するとともに泥炭火災のリスクが高まってきている。そのため,熱帯泥炭地は炭素収支におけるホットスポットと認識されている。土地利用変化や泥炭火災を計測し、泥炭地からのCO2排出量を定量化することが地球温暖化抑制の観点から強く求められているが、科学的根拠に基づく成果は限られており、定量化のためにはさらなる研究開発が必要である。そこで本研究では、熱帯泥炭地が広く分布するボルネオ島を対象として、熱帯泥炭生態系における炭素動態を評価するシステムの開発と実用化を目指す。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
本研究は、ボルネオ島(インドネシアの中部カリマンタン州、西カリマンタン州、マレーシアのサラワク州)の熱帯泥炭林を対象とし、1)フィールド観測(GHGフラックスを中心とした地上データの整備と解析)、2)陸域生態系モデルによる炭素・GHG動態評価システムの開発、3)PALSAR-2を用いた炭素・GHG動態システムの開発、4)熱帯泥炭地の空間分布データの構築、の4つのサブテーマを実施する。初年度には、データの収集と整備(1、4)、地上データを用いたモデルのパラメータ化(2)、アルゴリズムの開発(3)などを行う。2年目には、データの蓄積と解析(1)、システムの検証(2)、アルゴリズムの高精度化と検証(3)、データの精緻化・高精度化(4)を行う。最終年度には、シナリオの作成(1)、システムの完成、広域展開およびシナリオに基づく予測(2)、システムの完成と広域展開(3)、高精度データの構築(4)を行い、成果の統合化や相互比較を行うことで広域評価システムの精度向上を目指す。
今年度の研究概要
広域評価システムを完成させ,研究エリアの炭素動態およびGHG収支を推定する。さらに,サブテーマ(1)で作成するシナリオを評価システム(陸域生態系モデル)に入力することで予 測や対策技術の評価(感度解析)を行う。
外部との連携
北海道大学(研究代表者:平野高司)、宇宙航空研究開発機構、宇宙システム開発利用推進機構
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