- 予算区分
- LA 共同研究
- 研究課題コード
- 1315LA002
- 開始/終了年度
- 2013~2015年
- キーワード(日本語)
- 二次有機エアロゾル,ブラックカーボン,自動車排気
- キーワード(英語)
- Secondary organic aerosol, Black carbon, Automobile exhaust
研究概要
ディーゼル排気微粒子をはじめとした一次粒子は発生源対策が進み、大気中への寄与が低下している。一方で、二次生成粒子の寄与が高まっていると考えられるが、その中で半揮発性有機化合物(SVOC)が大気中で酸化反応して生成する二次生成有機エアロゾル(SOA)がある。ディーゼル排気にも、もともとガス相に含まれているSVOCに加え、一次粒子であるディーゼル粒子に含まれる成分の一部が希釈条件等により粒子相からガス相に変化したSVOCが酸化反応をして新たなSOAを生成するという報告がある。このSOAはこれまで着目されていない発生源由来のものであり、大気環境への量的なインパクトも未知であるため、物理化学的特徴の把握、生成メカニズムの解明、寄与率の推定などが急務となっている。本研究において自動車排ガス由来SOAの物理化学的測定を行うことで大気環境への影響を評価することが可能となる。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
ディーゼル排気を光化学チャンバーに導入した後、オゾンを添加したり、紫外光を照射したりすることで生成したSOAの粒子質量、主要化学組成、粒径分布、光学的特性について調べる。紫外線はブラックライトにより、また、オゾンは酸素を材料として無声放電式により発生させる。平成26年度には、ガソリン乗用車および小型ディーゼル車の排出ガスについて、光化学反応あるいはオゾン反応をさせて、どの程度SOAが生成するか明らかにした。平成27年度には、大型ディーゼルエンジン排ガス起源のSOAの光学特性について実験・解析を進め、他の物理化学特性との比較を行う。さらに、SOAの粒子質量や粒径分布、化学成分に加えて、キャビティリングダウン(CRDS)法や、光音響分光(PAS)法によるエアロゾルの光学的特性について詳細に調べることで、自動車排ガス由来SOAの大気環境への影響を明らかにする。
今年度の研究概要
平成27年度には、大型ディーゼルエンジン排ガス起源のSOAの光学特性について実験・解析を進め、他の物理化学特性との比較を行う。また、SP-AMSにより、粒子の内部混合に関する情報もリアルタイムに得て光学特性の経時的な変化を裏付けるデータを取得する。
外部との連携
中山智喜・名古屋大学太陽地球環境研究所・大気圏環境部門・助教
松見豊・名古屋大学太陽地球環境研究所・大気圏環境部門・教授
- 関連する研究課題
課題代表者
藤谷 雄二
- 環境リスク・健康領域
統合化健康リスク研究室 - 主幹研究員
- 博士(工学)
- 工学