- 予算区分
- AN 所内公募B
- 研究課題コード
- 1515AN004
- 開始/終了年度
- 2015~2015年
- キーワード(日本語)
- 底質改善,底泥溶出,リン酸態リン
- キーワード(英語)
- sediment remediation, benthic flux, phosphate
研究概要
微生物燃料電池による底質改善では、底泥中に酸化層を形成することで、底泥から湖水への栄養塩の回帰の低減効果が期待できる。本研究では、「無機態リンや窒素等の栄養塩の底泥からの回帰抑制効果のある酸化層形成深度の解析」を行うことで、淡水環境で効率的な底質改善に必要なアノード電極の最適化を行う。具体的には底泥直上水に蓄積する栄養塩濃度を最小限に抑えるアノード電極の設置条件(深さ,幅)を解析する。
湖沼の嫌気的底泥環境と好気的湖水環境の間には大きな酸化還元電位差が存在し、両環境で電極設置と回路の形成を行う微生物燃料電池により、底質を酸化的に改質できる。その作用メカニズムを多面的(固相底泥,水質, ガス,微生物)に解析し、淡水湖沼の底質改善に資する(特に酸化層形成深度に関する)基礎知見を収集する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
霞ヶ浦等の浅い湖沼の底質改善への本格運用を目指し、微生物燃料電池設置底泥の特性を多面的に解析し、底質改善効果を最大化するために電極設置条件の最適化を行う。
底泥間隙水の抽出・水質測定、固相底泥や溶存ガスの解析を得意とする湖沼・河川環境研究室と微生物燃料電池の開発・嫌気微生物反応の解析に十分な知見を有している地域環境技術システム研究室が連携することで、
1)霞ヶ浦底泥コアを用いて、微生物燃料電池設置後の底泥直上水の水質をモニタリングし、栄養塩の底泥からの回帰抑制効果の高いアノード電極の設置密度と深度を解析する。
2)栄養塩の底泥からの回帰機構は複雑で、間隙水の栄養塩濃度勾配、底生動物の巣穴密度や泥温等に影響される。アノード電極が底泥中に形成する酸化層の広がりを多面的に解析し、回帰抑制効果を発揮するに至ったメカニズムを解析することで、広く淡水湖沼に適用できる微生物燃料電池による淡水湖沼の底質改善手法の開発・確立を目指す。
具体的には、酸化還元指標となる硫酸イオンや各種有機酸濃度、溶存CH4やCO2の濃度と同位体比、メタン生成菌をはじめとする微生物相の遺伝子解析を行い、底泥中に形成された酸化層の質と広がりを精緻に評価する。
今年度の研究概要
地域環境技術システム研究室が連携し、
1)霞ヶ浦底泥コアを用いて、微生物燃料電池設置後の底泥直上水および底泥間隙水の水質をモニタリングし、栄養塩の底泥からの回帰抑制効果の高いアノード電極の設置密度と深度を解析する。
2)栄養塩の底泥からの回帰機構は複雑で、間隙水の栄養塩濃度勾配、底生動物の巣穴密度や泥温等に影響される。アノード電極が底泥中に形成する酸化層の広がりを多面的に解析し、回帰抑制効果を発揮するに至ったメカニズムを解析することで、広く淡水湖沼に適用できる微生物燃料電池による淡水湖沼の底質改善手法の開発・確立を目指す。
- 関連する研究課題
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