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内陸湖の水循環を利用した大気水銀沈着量の推定(平成 27年度)
Estimation of atmospheric Hg deposition by using seasonal variation of vertical Hg concentrations in lakes

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1517CD003
開始/終了年度
2015~2017年
キーワード(日本語)
水銀,湖水,汚染物質,大気沈着
キーワード(英語)
Mercury, Lake Water, Pollutant, Atmospheric Deposition

研究概要

産業革命以後、化石燃料の燃焼や工業的利用の増加に伴い、環境中の水銀濃度が約3〜5倍に増加していると推定されている(UNEP, 2013)。特に、大気水銀は発生源から遠く離れた場所で水銀汚染を引き起こす可能性があることから、大気から水環境への水銀沈着量を推定する手法の確立が求められている。そこで本研究では、湖水中水銀濃度の鉛直分布を高頻度で観測して、湖水の循環過程と水中水銀濃度の季節変化から、水環境への大気由来水銀の沈着量を推定する。また過去に計測された湖水中水銀濃度分布と比較して、地球規模の水銀汚染の実態把握を図るのと同時に、昨秋締結された「水銀に関する水俣条約」の有効性評価に貢献できるデータを提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究は3年間のプロジェクトで、水銀用のクリーン採水技術の開発と、冷原子蛍光分析装置を用いた高感度な水銀定量法に基づき、流入河川が無く、集水域が小さい北海道の摩周湖と、山梨県にある本栖湖の成層期と循環期に一般的な湖沼調査(水温・電気伝導度・溶存酸素濃度・pH)と、水中の溶存態水銀と粒子態水銀濃度の鉛直分布を明らかにする。摩周湖は二循環湖であるために年4回、そして本栖湖は一循環湖であるために年2回の調査を2年間継続する。それらに加えて、一年を通して水が混合しない池田湖(鹿児島県)で、同様の調査を合計2回実施する。

今年度の研究概要

陸水環境における水銀の実態把握を図るために、採水時に汚染が発生しないクリーン採水技術の確立をする。またデュアルアマルガム式冷原子蛍光分析計を用いて水中の極微量水銀を計測するために、国際標準液を用いて精度管理を実施する。今年は北海道摩周湖に2〜3回、山梨県本栖湖に1〜2回現地調査を実施して、採水および陸水学的な湖沼データの取得を目指す。そして採取した陸水中水銀濃度の鉛直分布を明らかにする。

外部との連携

日本大学

鹿児島大学

国立水俣病総合研究センター

自然公園財団川湯支部

課題代表者

武内 章記

  • 環境リスク・健康領域
    リスク管理戦略研究室
  • 主任研究員
  • Ph.D
  • 地学,化学
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