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微小粒子状物質(PM2.5)に含まれる有機汚染物質の測定と遺伝毒性評価(平成 26年度)
Measurement and genotoxic evaluation of the organic pollutants in particulate matter 2.5 (PM2.5)

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1315AH001
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
PM2.5,遺伝毒性,多環芳香族化合物
キーワード(英語)
PM2.5, genotoxicity, polycyclic aromatic compounds

研究概要

2009年に環境省より微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準が告示されたが、成分分析に関しては、含有率の大きい主要成分や発生源の推定に有用な成分に留まっており、PM2.5中に含まれる有機汚染物質についての情報は乏しいのが現状である。
 名古屋市では、PM2.5が減少傾向にあり、その主な要因は元素状炭素の減少であることがわかっている。有機炭素に関して減少は緩やかであり、今後は有機物に焦点を当てていかねばならない。名古屋市湾岸には工場地帯が立地しているため、揮発性有機化合物、NOxの排出量も多く、特に光化学オキシダントが上昇する春や夏に有機物が大気中で二次生成している可能性がある。また秋から冬にかけては、風速が弱くなることにより、排出された粒子が拡散されにくくなり粒子が高濃度になる事例も見られることから、異なった高濃度要因により、有害物質がどのように変化しているか、調査する必要がある。
 そこで本研究では、微小粒子状物質(PM2.5)に含まれる有機物質に焦点を当て、その遺伝毒性および発生要因の解析を行い、大気環境による健康影響に関連する基礎資料を提供することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本課題では、まずPM2.5の大量捕集方法について検討する。特にインパクターを設置したハイボリウムエアサンプラーによる捕集方法を検討し、他法との比較、常時監視データとの比較等を行う。続いて国内数地点におけるPM2.5の採取を季節ごとに実施し、その有機成分の測定と遺伝毒性について評価する。以上の結果から、国内におけるPM2.5曝露による発がんリスクを評価する。

今年度の研究概要

今年度は、PM2.5インパクターを設置したハイボリウムエアサンプラーによるPM2.5サンプリングを実施し、国内外の様々な地点及び季節における有機成分の濃度及び構成比を比較する。またその遺伝毒性・変異原性の測定を試みる。

外部との連携

共同研究機関:群馬県衛生環境研究所、名古屋市環境科学調査センター、広島県立総合技術研究所、福岡市保健環境研究所、郡山女子大学、信州大学、埼玉大学、県立広島大学、高崎経済大学、麻布大学

課題代表者

中島 大介

  • 環境リスク・健康領域
  • 副領域長
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
portrait

担当者

  • 青木 康展