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環境DNAと次世代シーケンサーによる淡水生物多様性調査の手法開発(平成 26年度)
Development of methodology for biological monitoring in freshwater by using environmental DNA and next generation sequencer

予算区分
AT H25公募型
研究課題コード
1414AT002
開始/終了年度
2014~2014年
キーワード(日本語)
環境DNA,生物多様性,モニタリング,次世代シーケンサー
キーワード(英語)
environmental DNA, biodiversity, monitoring, Next Generation Sequencer

研究概要

従来の生物多様性調査は、目的生物の捕獲や目視の記録によるものである。人的な労力や能力に大きく依存するため、特に広範で長期にわたる調査ほど、体制の維持やデータの質のばらつきが課題とされてきた。本研究では、環境研において長期モニタリングが行われている霞ヶ浦において、湖水や底泥といった環境サンプル中のDNA(=環境DNA)の塩基配列を解析して動物の多様性を明らかにする。霞ケ浦の複数地点において湖水および底泥標本を採取し、標本に含まれる環境DNAを抽出する。次世代シーケンサーで動物のミトコンドリア遺伝子のDNA塩基配列を解析し、霞ヶ浦に生息する生物種・群を明らかにする。多様性調査に係る人為的なばらつきや作業量の軽減を検討し、水質や地点に応じたモニタリング手法を開発する。従来のモニタリング手法よりも網羅性の高い多様性情報を、DNAデータから低労力かつ客観的に入手する手法を開発することが目標である。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:

全体計画

霞ヶ浦全域を対象に、湖水や底泥の環境DNAから得られる塩基配列から、生息する主として動物の多様性調査する手法を開発するため、(1)塩基配列データベースの整備、(2)サンプリング方法の検討、を行う。
サブテーマ(1)塩基配列データベースの整備
塩基配列の照会先として、既存の公開データベースを補うため、分類・生息情報が比較的充実している霞ヶ浦産魚類についてDNA塩基配列情報を収集する。霞ヶ浦に生息する魚類を入手し、種を形態同定した上で、各個体のミトコンドリアCOI遺伝子の塩基配列を旧世代シーケンサーで解析し、データベースを整備する。同様に、動物プランクトン・底生生物についても、COI遺伝子配列データを可能な限り収集する。
サブテーマ(2)サンプリング方法の検討
環境DNAに含まれる動物のCOI配列を、H25年に環境研に導入された次世代シーケンサーを用いて検出する。高感度での種多様性の検出が見込まれる一方で、サンプリング方法が結果に質的・量的にどのような影響を与えるかについては、十分に検討しなければならない。検討する主な条件は、?環境試料の種類(湖水・底泥)、?地帯間の相違(沿岸/沖帯など)、?同地帯内における地点間誤差、?同地点におけるサンプリング誤差などであり、検出される生物種数という評価軸で比較する。各条件において検出された塩基配列は、(1)で整備したデータベースおよび公開データベースを用いて、具体的な生物種・群に分類し、同定する。霞ヶ浦モニタリングにおける生物多様性調査を補完する実用的な手法を開発することに加え、希少種や外来種の侵入モニタリングへの応用が成果として期待される。

今年度の研究概要

霞ヶ浦全域を対象に、湖水や底泥の環境DNAから得られる塩基配列から、生息する主として動物の多様性調査する手法を開発するため、(1)塩基配列データベースの整備、(2)サンプリング方法の検討、を行う。
サブテーマ(1)塩基配列データベースの整備
塩基配列の照会先として、既存の公開データベースを補うため、分類・生息情報が比較的充実している霞ヶ浦産魚類についてDNA塩基配列情報を収集する。霞ヶ浦に生息する魚類を入手し、種を形態同定した上で、各個体のミトコンドリアCOI遺伝子の塩基配列を旧世代シーケンサーで解析し、データベースを整備する。同様に、動物プランクトン・底生生物についても、COI遺伝子配列データを可能な限り収集する。
サブテーマ(2)サンプリング方法の検討
環境DNAに含まれる動物のCOI配列を、H25年に環境研に導入された次世代シーケンサーを用いて検出する。高感度での種多様性の検出が見込まれる一方で、サンプリング方法が結果に質的・量的にどのような影響を与えるかについては、十分に検討しなければならない。検討する主な条件は、?環境試料の種類(湖水・底泥)、?地帯間の相違(沿岸/沖帯など)、?同地帯内における地点間誤差、?同地点におけるサンプリング誤差などであり、検出される生物種数という評価軸で比較する。各条件において検出された塩基配列は、(1)で整備したデータベースおよび公開データベースを用いて、具体的な生物種・群に分類し、同定する。霞ヶ浦モニタリングにおける生物多様性調査を補完する実用的な手法を開発することに加え、希少種や外来種の侵入モニタリングへの応用が成果として期待される。

関連する研究課題

課題代表者

今藤 夏子

  • 生物多様性領域
    環境ゲノム研究推進室
  • 室長(研究)
  • 博士(学術)
  • 生物学
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担当者