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世界の長期発展に係る鋼材のダイナミックマテリアルフロー分析(平成 26年度)
Dynamic modeling of world steel cycle towards 2100

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1315CD009
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
マテリアルフロー分析,ライフサイクルアセスメント,鉄鋼,リサイクル
キーワード(英語)
Material flow analysis, life cycle assessment, Iron and steel, recycle

研究概要

本研究は、素材の中でも消費量が最も多く、社会中でのストックが最大である鋼材を対象に、全ての最終用途に関して2100 年までの需要を推計するとともに、社会でのストック量、使用済み製品からのスクラップ回収量およびその利用可能量を推計することで、世界全体での鋼材のダイナミック・マテリアルフロー分析(MFA)を完成させることを目的にする。新たに利用可能になる人工衛星データを活用したストック量解析により結果の精緻化を図ると共に、スクラップ回収のモデル化、スクラップおよび中古製品の国際流通、鋼材の地中への溶解等を考慮した解析とする。そして、人口増大、経済(GDP/人)成長の様々なシナリオのもと鋼材の生産により誘発されるCO2排出量を推計し、CO2 排出量を低減するための技術開発課題、社会システム課題を抽出する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

鋼材の世界大でのダイナミックMFA を完成させるため、1) 2100 年までの鋼材の全ての最終用途に関する需要量およびストック量の推計、2) 使用済み製品から発生する鋼材スクラップの回収量と質および利用可能量の推計、3) 2100 年までの鋼材の生産により誘発されるCO2 排出量の推計を柱に3年間かけて取り組む。鋼材は最も消費量の大きい金属素材であり、主として社会基盤を構成する多種の製品に用いられている。従って、消費量の大きい用途等、影響の大きい因子に関して重点的に取り組み、推計の精緻化に取り組むのが望ましく、取り組む内容も多岐にわたることから各分野に精通した研究分担者との共同研究が望ましい。そこで、本研究を遂行するにあたり、研究代表者と4 名の研究分担者(総勢5 名)からなる研究体制を構築する。各年とも逐次、研究分担者の結果を代表者の推計へと反映させ、精緻化に努める。

研究従事者は、研究分担者として、[H25年度] 自動車および機械の国際取引量の推計、[H26年度] 廃棄物産業連関表による鋼材スクラップの最終製品への利用可能量の推計、[H27年度] スクラップの国際取引量の推計と可視化等に取り組む

今年度の研究概要

(H25年度)自動車および機械の国際取引量の推計
鋼材は、自動車および産業機械、輸送機械(鉄道)、建設機械など機械類としての国際取引量が大きくマテリアルフローとストックへの影響が大きい。また、中古製品としての取引量が多いことも知られているが、実態が正確に把握されていないのが現状である。そこで、国際貿易統計(UN-Comtrade など)および廃棄物産業連関に基づくマテリアルフロー分析(WIO-MFA)モデル(Nakamura et.al. 2007)などから得られる組成情報をもとに、鉄鋼材料および鉄含有製品(おもに自動車・機械)を介した国際取引量の同定を行う。また、国際貿易統計の取引額の単価および専門家ヒアリング等により、中古品としての取引量の推定を試みる。

(H26年度)
時系列推計を含めて、引き続き国際マテリアルフローのデータ推計を進める。また、WIO-MFA モデル(Nakamura et.al. 2007)を用いて、自動車、土木、建築、機械などの最終製品単
位生産量あたり鋼材スクラップがどれだけ使用されているかを解析する。さらに、研究代表者の
2100 年までの鋼材需要解析結果を活用することで、将来の鋼材の各最終需要において鋼材スクラ
ップがどれだけ利用できるか推計する。

外部との連携

代表者:松野泰也(東京大学大学院 工学系研究科, 准教授)、研究分担者:谷川 寛樹(名古屋大学大学院 工学研究科、教授)、藤本 郷史(宇都宮大学大学院 工学研究科、講師)、村上 進亮(東京大学大学院 工学研究科、准教授)

備考

重点研究プロジェクト1および重点研究プロジェクト3と関係

課題代表者

中島 謙一

  • 資源循環領域
    国際資源持続性研究室
  • 上級主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,材料工学
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