- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1416CD007
- 開始/終了年度
- 2014~2016年
- キーワード(日本語)
- サプライチェーン,資源,土地利用,物質フロー分析,金属
- キーワード(英語)
- Supply chain, Resouce, Land use, Material Flow Analysis, Metal
研究概要
世界的な持続可能な資源管理への関心の高まりを背景に、本研究では、世界の231の国と地域を対象としてa)国際貿易を介した資源の移動量(Fe,Cu,,Ni等)を同定する事で、各国間の繋がりを示すと共に、市場集中度、技術を含む需給構造の変化による影響を明らかにする。更に、特徴的な資源(Ni等)を対象に、衛星画像解析により、b) 資源採掘に伴う土地改変量(Land use, TMR)を同定すると共に、c) 資源利用に伴いサプライチェーンを通じて誘発される土地改変量を明らかにする。結果を基にサプライチェーンの技術的・社会的課題の抽出を行う。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
本研究の基幹的な解析として、物質フロー・サプライチェーン分析により、国際貿易に伴う資源の移動量の俯瞰的・網羅的な同定と解析に取り組む。国際貿易量の資源の移動量への換算はWIO-MFAあるいは各種文献より得られる組成情報を活用する。更に、挑戦的な試みとして、リモートセンシング技術を利用した衛星画像解析による採掘に伴う土地利用状況の把握、加えて2つの解析結果を組み合わせる事で、サプライチェーンを通じて誘発される資源採掘に伴う土地改変量の推計を実施する。特に、多国間・多品目での貿易を介した複雑なサプライチェーン構造とその解析結果の可視化を中心に、効率的な情報伝達手段として、インフォグラフィクスの作成に活動期間を通じて取り組む。
今年度の研究概要
貿易を介した資源移動量の同定と解析は、先行的にデータ整備と解析に着手している鉄・銅などの汎用金属を中心に国際サプライチェーンデータの整備と精緻化を進める。国際貿易量は、BACIより、231の国・地域間を対象とした各品目群の輸出・輸入量を抽出する。なお、6桁分類でのHSコードであっても,複数の異なる貿易商品が該当するコードがあり、特定の元素を含有する商品はその一部である場合がある。本研究では,BACIから得た各商品の貿易量に0から1の範囲を取るカットオフ値を設定し,これを貿易量に乗じることで、貿易量の推計精度を高める。貿易に伴う各種の元素の移動量への換算には、各種の文献やWIO-MFA等から得られる各商品の元素の含有率を乗じて推計を行う。これらの結果を基に、Herfindahl - Hirschman Index (HHI) などの指標を用いて市場集中度の観点から、国際貿易を介した資源移動量とその需給構造の解析を進める。
鉱山活動に伴う土地利用量の解析は、鉱物の市場分析や鉱山の最適開発計画の研究実績を有する村上進亮(東京大学、分担者)およびリモートセンシングを用いた観測技術研究に実績のある山野博哉 (国立環境研究所、連携研究者)との協力体制の下で解析に取り組む。衛星画像情報(Landsat, Terra ASTERなど)の有無・画質等を含めて画像情報の整理と共に、国・鉱山別の採掘量に関する時系列での統計情報の収集・整理を進める。これらの情報を基に、まずは、ニッケル鉱石を対象として、対象の鉱種・鉱山の選定を実施して、衛星画像情報等を入手など、鉱山活動に伴う土地面積変化量の定量解析の準備を実施する。
外部との連携
外部連携 (分担)
・村上進亮 (東京大学大学院工学系研究科、准教授)
備考
連携研究者
・山野博哉(NIES、生物センター)
課題代表者
中島 謙一
- 資源循環領域
国際資源持続性研究室 - 上級主幹研究員
- 博士(工学)
- 工学,材料工学