ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

沿岸海域環境の物質循環現状把握と変遷解析に関する研究(平成 26年度)
Study on historical changes and current status of biogeochemical cycles in coastal seas

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1416AH001
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
沿岸海域,物質循環,栄養塩,貧酸素水塊
キーワード(英語)
coastal sea, biogeochemical cycle, nutrient, hypoxia

研究概要

現在,全国各地の沿岸海域で顕在化している貧酸素水塊と貧栄養状態を評価すべく,現場調査観測や既存のモニタリングデータの解析を行い,全国の沿岸海域における物質循環に関連する未測定の水質項目について情報を得て,貧酸素水塊軽減や適正な栄養塩状態を維持すべく里海管理上有益な知見を提供することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

現在,全国各地の沿岸海域で顕在化している水質上の問題である貧酸素水塊と貧栄養状態を公共用水域において評価すべく,以下の課題を実施する。
貧酸素水塊については現在,新規環境基準項目として設定が検討されている下層の溶存酸素量(DO)測定のために前課題に引き続き多項目水質計を用いた測定を実施し,実態把握を行う。
また公共用水域常時監視水質データから,下層(底層)DOの低下・欠乏状態とその期間の経年変化について整理・解析を行う。
さらにDOを消費する要因である水塊中の有機物の性状を評価するために,前課題で実施してきた溶存性・懸濁性有機炭素(DOC・POC)やクロロフィルa等のCOD・有機汚濁物質に関連する項目の測定を引き続き実施することに加えて,易・難分解性有機炭素を評価するための中長期間の分解試験と海域版生物化学的酸素要求量(BOD)測定法とその評価について検討を行う。
貧栄養状態の評価のためには,公共用水域常時監視で測定されている水質環境基準項目である全窒素・全リン(TN・TP)に加えて,硝酸・亜硝酸態,アンモニア態窒素(NO3・NO2,NH4-N),リン酸態リン(PO4-P)等の栄養塩を未測定海域において測定を行い,栄養塩がTN・TPに占める割合を評価する。また過去から現在に至る公共用水域常時監視水質データから,栄養塩類とTN・TP,それに富栄養化指標であるクロロフィルaや,その分解産物のフェオフィチン(フェオ色素)等の変遷について整理と解析を行う。

今年度の研究概要

全国各地の沿岸海域における貧酸素水塊発生状況と貧栄養状態の確認と整理,そのための測定項目の有無の把握を行う共に,多項目水質計を用いた下(底)層DOの現場測定や採水した試料の栄養塩類,クロロフィルaやCOD関連有機物指標の分析を行う。また海域版BOD測定の条件検討を行う。

関連する研究課題

課題代表者

牧 秀明

  • 地域環境保全領域
    海域環境研究室
  • 主幹研究員
  • 工学博士
  • 生物工学
portrait