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農薬製剤中の除草剤による複合影響評価(平成 25年度)
Mixture toxicity of multiple herbicides present in commercial herbicide products

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1313AQ007
開始/終了年度
2013~2013年
キーワード(日本語)
農薬,除草剤,バイオアッセイ,複合影響
キーワード(英語)
pesticides, herbicides, bioassay, mixture toxicity

研究概要

広範囲の雑草に対する効能を得るため、水田農薬製剤には様々な除草剤が有効成分として含まれている。したがって、個別の農薬による影響だけではなく、複数の農薬による複合的な生態影響が懸念されるが、農薬取締法では個別農薬ごとに農薬登録保留基準が設定されているに過ぎない。農薬使用後の水域生態系への影響実態を把握するためには、複合影響を考慮に入れることが必要不可欠である。そこで農薬散布直後の水田排水中の農薬検出濃度や、一般的に使用されている除草剤製剤中の有効成分の含有比などを参考に、複合汚染実態に近い条件における農薬による複合影響の有無について、水生生物(藻類、ミジンコ、魚類)を用いた短期慢性影響試験を用いて検証を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

一般的に使用されている除草剤製剤中に含まれている有効成分による複合影響を評価するため、含有比や環境中検出濃度などに基づいて有効成分を混合して、水生生物(藻類、ミジンコ、魚類)を用いた短期慢性影響試験に供し、各有効成分の個別影響データから予測される影響との比較を行う。また、圃場周辺の水域から環境水を採取し、同様に短期慢性影響試験に供するとともに、環境水中の農薬濃度の測定し、検出された農薬類による複合影響について考察する。

今年度の研究概要

日本で使用されている初期除草剤にはプレチラクロールを含有する物が多いが、除草剤には複数の有効成分が含まれており、プレチラクロール以外にもジメタメトリン、ピラゾスルフロンエチル、ピラゾスルフロンなどを含む製剤が良く使用されている。個別の毒性データからの予測では、藻類に対しプレチラクロールが支配的に作用していると考えられるが、他の有効成分が相加的、あるいは相乗的に作用しているかどうかは明らかではない。そこで本研究では、製剤中の有効成分をその含有比等に基づいて混合して、3種の短期慢性試験(藻類生長阻害試験、ミジンコ繁殖試験、魚類胚・仔魚期短期毒性試験)を実施し、有効成分の混合物の毒性と、個別成分から予測される毒性の比較を行う。試験濃度の設定時は、含有比だけではなく、水田散布後の各農薬の環境中動態なども考慮に入れる。

課題代表者

鑪迫 典久

担当者

  • 渡部 春奈環境リスク・健康領域
  • 田村 生弥
  • 高信 ひとみ
  • 荻野 仁子