- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1314CD001
- 開始/終了年度
- 2013~2014年
- キーワード(日本語)
- 有機性廃棄物,メタン化,バイオリアクター,ガス精製
- キーワード(英語)
- organic waste, bio-methane production, bioreactor, gas purification
研究概要
本研究は、有機性廃棄物のメタン化技術の発酵残渣水処理プロセスに創エネルギー機能を持たせることを目的としている。同技術における残渣の有効利用方法は、現状のところ農地還元に限定されていることに鑑み、新たに燃料ガスの精製およびバイオ燃料の生産のために残渣を活用する技術の開発を行う。本研究においては、まず燃料ガス精製に焦点を当てた研究を実施する。微細藻類等を充填したフォトバイオリアクターを利用し、メタン、二酸化炭素、硫化水素から構成されるバイオガス中の二酸化炭素を炭素源として、発酵残渣の脱離液に含有される窒素・リン・ミネラル等をその他の栄養源とするバイオプロセスを構築する。二酸化炭素等吸収の溶媒としての脱離液の調整、ガス吸収の装置形状、バイオリアクターの操作の最適化を行い、二酸化炭素および硫化水素の95%以上、脱離液中のアンモニアの90%以上の除去をそれぞれ達成することを目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:
全体計画
2013年度は基礎検討ステップとして位置づける。ガスの吸収と藻類による生物学的二酸化炭素固定の両方を効率的に行う
装置デザインの検討と、デザインした装置を使って、溶媒流下速度/通気速度比、溶媒のpHなど様々な操作条件の下におけるガス吸収特性の把握、特定生物導入・定着種の特定いった基礎的データ取得に従事する。2014年度は応用展開ステップとして位置づけ、前年度の研究をもとに最適化したシステムを用いた、ラボスケールの連続処理実証実験を行う。気相における標的ガスの除去特性、液相における栄養塩の除去特性等を評価する。機能強化を目的とした特定生物種の導入等の検討も合わせて行う。また、廃棄物メタン化プロセスと整合する物質収支を把握した上で、実現可能性を簡易的に評価する。
今年度の研究概要
(1)装置デザインの検討:ガス吸収と藻類培養を一体化した装置とそれらを分離した2槽からなる装置をそれぞれ作成・運転し、長所と短所を分析する。(2)操作条件検討:溶媒流下速度/通気速度比、および溶媒のpHを変化させた運転を実施し、それらのガス吸収特性に対する影響を解析し、最適な条件を算出する。(3)生物種の集積・選別:上記の運転によって装置内に集積される生物種を特定する。(1)〜(3)をもとに、次年度詳細な実験を実施するための最適なシステムを構築する。
課題代表者
小林 拓朗
- 資源循環領域
資源循環基盤技術研究室 - 主幹研究員
- 博士 (工学)
- 土木工学,生物工学