- 予算区分
- KZ その他公募
- 研究課題コード
- 1213KZ001
- 開始/終了年度
- 2012~2013年
- キーワード(日本語)
- ニッケル,資源,サプライチェーン,物質フロー分析,生物多様性
- キーワード(英語)
- Nickel, Resource, Supply chain, Material flow analysis, Biodiversity
研究概要
人類の経済活動は、サプライチェーンを通じて、直接的あるいは間接的な影響により生態系へと変化を与えている。しかしながら、生産から消費に至るサプライチェーンは、国内および国際的に広がり非常に複雑な構造を有している。本研究では、資源利用に伴うサプライチェーンを通じた生態系への影響を把握することを目的として、資源採掘に伴う生態系への影響の実態把握と国際サプライチェーンを通じた資源利用の構造解析を実施する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
本研究では、ニッケル資源の利用に伴う生態系への影響を把握することを目的として、(a)採掘に伴う生態系への影響の実態把握、および、(b)国際サプライチェーンを通じた資源利用の構造解析の2つの側面から研究を実施する。研究プロジェクトは、申請者である中島が総括として取りまとめると共に、4名の特徴を活かしつつ連携してプロジェクトを進める。具体的には、(a)実態調査については、菊池が実態調査の実績・知見をもとにデータの収集・把握に努めると共に、松八重が統計学・計量経済学的な知見をもとに被害係数の算定などデータの解析を行う。また、(b)構造解析については、中島が、国際サプライチェーン分析の実績・知見をもとに貿易統計等からニッケルの国際サプライチェーンに関するデータの収集・解析を務めると共に、山末は関与物質総量(Total material requirement, TMR)の概念援用することにより、素材や製品等の生産に伴う各国への依存度等の解析を行う。
今年度の研究概要
・H24年度
ニッケルの国際サプライチェーン分析として、ニッケルの品目別の各国間貿易量のデータ整備および解析を行う。さらに、現地での実態調査に先立ち、ニューカレドニアにおける鉱山開発や生態系への影響についての有識者らへのヒアリング・情報交換を行う事で、過去から現在に至る鉱山開発の状況(採掘量など)とそれに伴う森林伐採等による生息域の変化(伐採面積など)、絶滅危惧動物の個体数の推移などについての定量的な情報の収集を行う。これらをもとに平成25年度に予定している実態調査の計画を立てる。
・H25年度
引き続き、サプライチェーンデータの整備解析を進めるとともに、5月にニューカレドニアの現地調査を実施して、ニッケル鉱山および周辺状況の把握とともに、現地の研究者・専門家等々の交流を進める。さらに、サプライチェーンを通じたニッケル資源利用に伴う生物多様性の影響を可視化するために、サプライチェーン情報と生物多様性に関する情報の接続を目指す。
外部との連携
共同研究者:山末 英嗣(京都大学エネルギー科学研究科、助教)、菊池 隆之助(龍谷大学理工学部、教授)、松八重 一代(東北大学院工学研究科、准教授)
備考
当課題は、重点プロジェクト1「国際資源循環に対応した製品中資源性・有害性物質の適正管理」にも関連
研究期間 平成24年11月1日~平成25年10月末
課題代表者
中島 謙一
- 資源循環領域
国際資源持続性研究室 - 室長(研究)
- 博士(工学)
- 工学,材料工学