- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1213CD001
- 開始/終了年度
- 2012~2013年
- キーワード(日本語)
- 農作物残渣,野焼き,大気粒子,有機指標成分
- キーワード(英語)
- crop residue, open burning, airborne particles, organic markers
研究概要
稲藁などの農作物残渣の野焼きが大気環境に与える影響は,年々増加してきていると考えられる。そこで本研究では,野焼きが大気粒子に与える影響を定量的に評価することを目的とした。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
具体的な研究項目は,(1)野焼きなど各種発生源の指標となる有機指標成分の測定法の確立,(2)現場を模擬した野焼き実験に基づく粒子状物質の成分別排出係数の取得,(3)関東郊外での大気試料の通年採取と組成分析による野焼きの寄与率推定,(4)野焼きの実態調査,(5)野焼き排出係数・排出量の妥当性検証の5つである。
今年度の研究概要
野焼きが大気粒子に与える影響を定量的に評価するため,以下の研究を行う。(1)野焼きなど各種発生源の指標となる有機指標成分の測定法の確立,(2)関東郊外(つくば)での大気試料の通年採取,(3)野焼きの実態調査,(4)現場を模擬した野焼き実験に基づく粒子状物質の成分別排出係数の取得(1)では,バイオマス燃焼の指標となるレボグルコサンをはじめ,16種程度の発生源の指標となる合計約80成分とし,溶媒で抽出した後,誘導体化してGC/MSで測定することを検討する。(2)では,大気粒子への野焼きの影響を把握するため,つくば(国立環境研究所)で大気試料を1〜2週間ごとに通年で採取する。(3)では,つくば(国立環境研究所周辺)の2〜3箇所程度の水田エリアを選定し,定期的に現地を視察し,農作物(特に水稲)の作付けの様子や野焼きの実態(場所,作付面積,残渣種類,時期,期間,焼却率,燃焼方法等)を調査する。(4)では,野焼きの模擬実験で採取した試料について,秤量による粒子重量,光学補正・熱分離炭素分析計による炭素成分(元素状炭素EC,有機炭素OC),PIXE (Particle Induced X-ray Emission)法による元素分析,イオンクロマトグラフィーによるイオン成分の測定を行う。これにより,残渣の種類や燃焼条件による排出係数や組成の違いを明らかにする。
外部との連携
研究協力者:林健太郎氏(農業環境技術研究所),齊藤勝美氏(環境計測(株))
備考
研究協力者:林健太郎(農業環境技術研究所),齊藤勝美(富士通クオリティ・ラボ・環境センター)
- 関連する研究課題
- 23023 : 多次元分離技術による環境および生体中有機化学物質の網羅分析法の開発
- 0 : 地域環境研究分野における研究課題
- 24750 : 環境計測研究分野における研究課題
課題代表者
伏見 暁洋
- 地球システム領域
地球環境研究センター - 主幹研究員
- 博士(工学)
- 工学