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西部北太平洋域における炭素同位体観測による黒色炭素粒子の発生源寄与・広域分布評価−数値モデルによる黒色炭素粒子の広域輸送計算−(平成 23年度)
Source distribution and spatial distribution of black carbon particles based on the carbon isotope measurements in the Western Pacific area -Numerical simulaton of black carbon using regional chemical transport model -

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0911CD019
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
黒色炭素,炭素放射性同位体,西太平洋,発生源寄与,化学輸送モデル
キーワード(英語)
black carbon, carbon isotope, Western Pacific, source contribution, chemical transport model

研究概要

エアロゾルの気候影響の予測における不確定性を減らす上で、黒色炭素の発生源、輸送・除去過程、およびその結果としての広域的濃度分布や季節変化を解明することが大きな課題となっている。しかし、炭素系粒子の発生源分別はこれまであまり進んでいなかった。そこで、中国産の石炭燃焼から発生する黒色炭素と国内のディーゼル排気起源の黒色炭素を炭素安定同位体13Cの比δ13Cを用いて判別する。また、黒色炭素中の放射性同位体14Cを用いて、化石燃料燃焼起源とバイオマス起源に分別する。これらの手法により、バックグラウンド観測点において採取した黒色炭素を分析することで、バイオマス燃焼起源と化石燃料起源を判別、さらに化石燃料起源のうち国内起源と中国起源の判別を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

西部北太平洋のバックグラウンド域において、黒色炭素粒子(エアロゾル)と二酸化炭素の同時観測を実施し、炭素の放射性および安定同位体を用いて、発生源種別を分別する。この観測結果を用いて、インバージョン・モデルにより発生源別の黒色炭素排出インベントリ(発生源モデル)の改善を行い、改善されたインベントリをもとにした化学物質輸送モデルにより、広域的な黒色炭素粒子濃度分布の計算精度を向上させる。この研究において、観測結果をモデル解析して黒色炭素の発生源別排出インベントリを改良し、最終的には化学物質輸送モデルを用いて、西部北太平洋地域における発生源別の黒色炭素濃度分布の再評価を担当する。

今年度の研究概要

前年度に整備した排出インベントリと化学輸送モデルを使用して、観測データを対象としたシミュレーション計算を実施し、黒色炭素濃度のモデル再現性、季節別の地域分布、発生源地域別寄与率などを評価する。

外部との連携

(研究代表者)独立行政法人産業技術総合研究所

関連する研究課題

課題代表者

大原 利眞

担当者

  • 西澤 匡人
  • 森野 悠地域環境保全領域