- 予算区分
- BD 環境-環境技術
- 研究課題コード
- 0911BD003
- 開始/終了年度
- 2009~2011年
- キーワード(日本語)
- ニトロ有機化合物,排ガス,ディーゼル車,PTR-TOFMS
- キーワード(英語)
- nitro organic compound, exhaust gas, diesel vehicle, PTR-TOFMS
研究概要
ディーゼルエンジンは、熱効率が高くCO2排出量が低いという特徴をもつ一方、PM(Particulate Matter, 粒子状物質)およびNOx(窒素酸化物)を多く排出するため、大気汚染や健康影響の観点からPMおよびNOxの排出量の大幅削減が強く求められている。そこで、燃焼技術、後処理技術、燃料・潤滑油性状の改善といったディーゼル排ガス低減技術の取り組みがなされている。しかしながら、最新の報告では、後処理装置の部分で人体に有害と考えられるニトロ有機化合物が生成している可能性が示唆されている。その生成はエンジンの稼働状況・運転条件に大きく依存するものと考えられる。本研究では、ディーゼル車排ガス中のニトロ有機化合物の排出状況に関するデータを収集するため、ニトロ有機化合物の多種類をリアルタイムに測定する装置の開発を行うものである。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
揮発性有機化合物のリアルタイム計測のために独立行政法人国立環境研究所で自主開発した陽子移動反応−飛行時間型質量分析計(PTR-TOFMS)の高性能化を行なった後、シャシーダイナモ稼働下でのディーゼル車排ガス中のニトロ有機化合物の多種類をリアルタイムで検出・定量を行い、ニトロ有機化合物の排出特性(種類・(全)量・性状)を把握する。また、レーザー光イオン化法を利用した質量・反跳速度同時測定法を開発し、ニトロ有機化合物検出への適応性を評価する。
今年度の研究概要
交通安全環境研究所での合同試験結果を踏まえ、引き続き、開発中の装置の最適化、高感度化を行う。粒子状成分のリアルタイム計測に向けたPTR-TOFMS装置の試料導入部の開発を行う。またGC、LCを用いて、ディーゼル排ガス中の粒子中のニトロ有機化合物の検出・定量を行う。最終的に、交通安全環境研究所での合同試験でディーゼル排ガス中のニトロ有機化合物の排出量を、GC/LCの結果とも比較しながら、PTR-TOFMSでのリアルタイム計測を行う。また、交通安全環境研究所で開発された装置との総合的な評価を行う。
外部との連携
再委託先:広島大学大学院理学研究科 高口博志准教授
連携機関:独立行政法人交通安全環境研究所2362
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