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水銀など有害金属の循環利用における適正管理に関する研究(平成 23年度)
Study on appropriate management in cycles of toxic metals

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
1113BE001
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
有害金属,物質フロー,環境排出
キーワード(英語)
toxic metal, substance flow, emission

研究概要

水銀は国際的な削減プログラムが進行中であり、EUや米国では回収水銀の輸出禁止がなされ、長期保管に向かっている。我が国でも長期保管の検討は始まっているが、端緒についたばかりである。また、国際的な化学物質管理戦略(SAICM)では水銀以外の金属(カドミウム、鉛)も予防的アプローチとして国際規制物質候補となっている。したがって、本研究では水銀の最終保管に関して、より環境への排出の尐ない長期保管、回収システムの構築を目指し、回収・保管フローにおけるリスク評価に向けた環境排出ポテンシャルの推定を行うことを目的とする。さらに水銀をベースに作成された大気への排出インベントリー、フローモデルを他有害金属に拡張し、排出実態調査や有害金属含有廃棄物調査を踏まえ、環境排出を考慮したマテリアルフローの整備を行い、水銀及び他有害金属の制御および管理に用いることを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では水銀の最終保管に関して、回収・保管フローにおけるリスク評価の基礎情報としての環境排出ポテンシャルの推定を行う。また、水銀のマテリアルフローと大気排出インベントリの推定手法をベースに他有害金属(カドミウム、鉛)へ適用し、廃棄物の有害金属含有実態や環境排出実態の調査を踏まえ、環境排出を考慮したマテリアルフローの整備を行う。1年目は水銀化合物や合金からの水銀揮発量の測定方法の検討と実測定への適用性確認を行う。また、水銀以外の有害金属について既存のマテリアルフローデータの整理を行い、環境排出の面から精緻化に向けた課題を抽出する。2年目は、水銀の環境排出ポテンシャル把握の基礎データとして各種の水銀化合物や合金からの水銀揮発量の実測を行う。また、水銀以外の有害金属についてそれらを不純物として含む原料等の需給データ等に基づく環境排出量の推定、有害金属含有廃棄物処理プロセスの調査に基づく廃棄物処理における有害金属のプロセス内分配挙動やプロセスからの排出挙動を明らかにする。3年目は、有害金属の環境排出を考慮したマテリアルフローを作成するとともに、モデルのツールキット化を行う。

今年度の研究概要

水銀化合物や合金からの水銀揮発量の測定方法の検討と実測定への適用性確認を行う。また、鉛、カドミウムについて既存のマテリアルフローデータの収集整理、PRTRデータに基づくマテリアルフローの作成を行い、それらの比較検討を行って環境排出の面から精緻化に向けた課題を抽出する。

外部との連携

研究代表者:高岡昌輝(京都大学)
共同研究者:貴田晶子(愛媛大学)、守富寛(岐阜大学)、浅利美鈴(京都大学)、高橋史武(九州大学)

備考

当課題は中核研究プロジェクト1「国際資源循環に対応した製品中資源性・有害性物質の適正管理」に関連

課題代表者

小口 正弘

  • 資源循環領域
    資源循環社会システム研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (工学)
  • 工学,システム工学,化学
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