- 予算区分
- AG 特別研究
- 研究課題コード
- 0911AG001
- 開始/終了年度
- 2009~2011年
- キーワード(日本語)
- 資源作物,コベネフィット,温室効果ガス,廃液処理,メタン発酵
- キーワード(英語)
- Crop resource, Co-benefits , Green house gas, Wastewater treatment, Methane fermentation
研究概要
東南アジアを中心とする地域には、資源作物(サトウキビ、パームヤシ等)の生産が集中しており、それらを原料とした製品(砂糖,パーム油)の製造・加工工程(バイオ燃料の生産を含む)からは、高有機物濃度の液状廃棄物(廃液)が多量に排出される。現状、その殆どが開放型の池(安定化池)で放置され、メタン等の温室効果ガスの発生と水環境汚染の要因となっている。本研究開発では、これらの資源作物由来廃液(主として糖蜜系バイオエタノール廃液)の適切処理技術(メタン発酵を中心とする創・省エネ処理技術)の開発により、温室効果ガス発生抑制、エネルギー回収、水環境保全等を実現化するコベネフィット型処理技術の確立を目指す。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
H21年度:高濃度廃液対応型のメタン発酵リアクターによる糖蜜廃液(バイオエタノール廃液)の連続処理試験を行い、流入有機物濃度や生成する硫化物濃度の変化が、廃液処理性能(メタン生成能)や保持汚泥の性状に及ぼす影響を評価する。メタン発酵処理液の後段処理試験と処理液の再利用に関する検討を進める。
H22年度:メタン発酵リアクターによる廃液処理試験を継続し、阻害を回避しつつ、高負荷処理を実現するための運転操作条件の検討を行う。また廃液に含まれるカチオン類がメタン生成反応に及ぼす影響の評価と有機物分解を担う微生物群集の解析を進める。またタイにおけるバイオエタノール製造廃液の処理試験と、処理後の廃液を液肥としての利用する際の効果や環境影響評価を行う。
H23年度:資源作物由来の高濃度廃液処理に適した処理プロセス(処理液の液肥・灌漑用水として利用も含む)を提案し、その廃液処理性能評価を行う。また、システム構成処理プロセスの運転管理指標となる主要細菌群の同定を行う。さらに提案システムの創エネルギー効果・温暖化ガス発生抑制効果について試算を行う。
今年度の研究概要
今年度は、メタン発酵リアクターによる廃液処理試験を継続し、特にカチオンなどによる阻害を回避しつつ廃水を無希釈(低希釈)で安定処理するための運転操作条件(廃水の間欠供給)の検討、処理プロセスの運転管理のための指標となる保持汚泥の微生物学的な知見(微生物群集構造)の収集を行う。またタイにおけるバイオエタノール製造廃液の処理試験と、処理後の廃液を液肥としての利用する場合の効果や環境影響の評価(サトウキビの生育への効果、廃液を畑地に還元する際の温室効果ガスの放出状況の調査等)を継続して行う。さらに提案システムの創エネルギー効果・温暖化ガス発生抑制効果について試算を行う。
外部との連携
共同研究先:Khon Kaen University(タイ)、Mitr Phol Sugarcane Research Center Co., Ltd.(タイ)、岐阜工業高等専門学校
- 関連する研究課題
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