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化学気候モデルの長期ランを利用した、成層圏オゾンの対流圏気候への影響評価に関する研究(平成 22年度)
Estimation of the stratospheric ozone influence on the tropospheric climate using long term projection of the chemistry climate model.

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
1011AF006
開始/終了年度
2010~2011年
キーワード(日本語)
化学気候モデル,オゾン層,気候変動,成層圏−対流圏結合,将来予測
キーワード(英語)
Chemistry climate model, Ozone layer, Climate change, Stratosphere-troposphere connection, Future projection

研究概要

成層圏オゾンの長期トレンドと対流圏気候との関係を指摘する研究が最近活発化している(Son et al., 2008など)。スタートアップでは20年程度の解析から、中緯度下部成層圏でオゾン濃度が高いときに対流圏の気温が低くなるメカニズムについて詳細な解析を行った。同様なメカニズムが化学気候モデルの将来予測実験における長期的なオゾン層変化と対流圏気候変化に対して働いているかどうかをグローバルに解析する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

スタートアップ(H20-21)で行った、下部成層圏オゾン濃度が対流圏気候場へ及ぼす影響の解析手法を、CCMVal2で行われたオゾン層将来予測実験(1960-2100年)結果に同様に適用する。
1.ハロゲン濃度と温室効果ガス濃度の両方を将来シナリオに沿って変化させたコントロール実験、およびハロゲン濃度だけを1960年値に固定した実験(ハロゲン固定実験)について、オゾン層と対流圏気候場の1995-2005年平均値の比較を行う。これより、現在気候におけるオゾン減少の効果を場所ごと(緯度別)に評価する。
2.コントロール実験の1995-2005年平均値と2090-2100年平均値を比較する。これにより、オゾン増加と温室効果気体の効果の合わさった対流圏気候場の変化を調べる。
3.温室効果ガス濃度と海水面温度だけを1960年値に固定した実験(気候固定実験)について、1995-2005年平均値と2090-2100年平均値を比較する。これによって、オゾン増加の効果を見る(1.とほぼ正反対の結果が得られると期待できる)。
さらに、CCMVal2で提供されている世界の他の化学気候モデルデータを用いた同様な解析を行う。例えば、複数のモデルのアンサンブル平均を取ることにより、モデルの気候感度の違いによるモデル不確定性を縮小できることが期待される。

今年度の研究概要

全体計画の1.2.3.を環境研化学気候モデルの出力データを使って解析を行う。
同時進行でRAID装置の購入設置を行い、CCMVal2プロジェクトに提供された各国のモデルデータの集約を行う。集約が完了次第、マルチモデルアンサブル解析を行う。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

中村 哲

担当者