- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0610AE926
- 開始/終了年度
- 2006~2010年
- キーワード(日本語)
- 沿岸環境,モニタリング,修復,履歴的閾値
- キーワード(英語)
- COASTAL ENVIRONMENTS, MONITORING, REMEDIATION, HYSTERITIC THRESCHOLD
研究概要
環境劣化の著しい我が国の沿岸海域における栄養塩の過剰負荷,漁業利用,底質改変,石油流出等による生態系に及ぼす影響と修復手法の評価を行う。特に、ICSU-SCOPEによって刊行された「流域、内湾および閉鎖性海域の科学と管理」の報告書(2008)で強調された「履歴的閾値」の概念(負荷が一度閾値を越えてしまうとそれ削減しても修復が進みにくくなる)をキーワードとし、個別の観測や長期モニタリングの結果を併せて、内湾を中心とした系の環境変質と修復可能性を評価する。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
06〜09年度:東京湾,有明海,サロマ湖等における底生生物の生残条件や貧酸素水塊,流出油のおよぼす影響評価
07〜09年度:底生生物復活による水質浄化能や漂着油の生物的除去能と強化法の評価
08〜10年度:人為影響の大きい沿岸環境におけるモニタリング手法の提案と生態系修復潜在能の評価を行う。特に人為影響でリン(P)、窒素(N)の負荷が増え、ケイ素(Si)の流入が減少することによって、善玉のケイ藻(Siを必要とする)に対して悪玉の非ケイ藻類(Siを必要としない)が有利になること(シリカ欠損仮説)に基づいた環境評価を行う。
今年度の研究概要
今年度も、フェリーによる瀬戸内海等の栄養塩長期時系列データの解析を進め、上記のSi/N改善傾向あるいは「シリカ欠損」の緩和傾向の解析を進める。そして、COD、リン、窒素の負荷削減に対して結果としての海域環境回復がどの程度遅れるかの観点から、閉鎖性海域の長期変化において「履歴的閾値」がどのように関わっているかを評価する。
- 関連する研究課題
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