- 予算区分
- BY 環境-委託請負
- 研究課題コード
- 0610BY303
- 開始/終了年度
- 2006~2010年
- キーワード(日本語)
- 環境ナノ粒子,組織透過性,ディーゼル排気
- キーワード(英語)
- ENVIRONMENTAL NANOPARTICLE, TISSUE PERMEABILITY, DIESEL EXHAUST
研究概要
ディーゼル粒子除去装置や触媒の開発、燃料の低硫黄化などにより、自動車排出ガスに起因する粒子状物質の質量濃度の低減は可能となっている。しかし、粒径が数十ナノメートル以下のナノ粒子といわれる極めて微小な粒子の低減に関しての対策は遅れており、依然として数濃度として高いものが排出される可能性があることが指摘されている。同時に現実の大気環境中においても、幹線沿道沿いではナノ粒子の個数濃度がラッシュアワー時に高くなることが指摘されている。ナノ粒子はその毒性・影響・性状・環境動態のいずれも未解明の部分が多い。これまでの二酸化チタンや炭素のナノ粒子では、大きな粒子状物質より炎症を引き起こしやすいことなど強い影響がある可能性や、呼吸器内に入った場合肺を通過し全身への影響を持つ可能性が示唆されているが充分な検討がなされていないのが現状である本研究では、自動車排ガス由来のナノ粒子の性状や、毒性・影響評価に必要な調査研究を行うことを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
自動車排出ガスに対する規制強化や排ガス処理技術の開発により、排出される自動車排気粒子の重量濃度は減少するが、粒径数十ナノメートル以下の「環境ナノ粒子」といわれる極めて微小な粒子の数は減少せず増加する可能性も指摘されている。環境ナノ粒子はその毒性影響・性状・環境動態のいずれも未解明の部分が多く、大きな粒子状物質と比較し炎症を引き起こすことなどの強い影響がある可能性や肺のみならず全身への影響を持つ可能性が体内動態から示唆されている。
そこで、環境ナノ粒子の性状や環境中の動態把握を基に新たに環境ナノ粒子曝露装置を作製し、毒性・影響評価に必要な調査研究を進め、健康影響についての適切な評価を行う。
今年度の研究概要
本年度は、H20年度からスタートした、アイドリングモードで発生させたディーゼル排気ナノ粒子の慢性吸入実験試料を用いて、サイトカインの測定や病理組織学的検索を行う。暴露条件に関する測定としては、希釈トンネル、各曝露装置内における粒子の個数粒径分布をSMPS(scanning mobility particle sizer)、EEPS(Engine exhaust particle sizer)、CPC(condensation particle counter)を用いて測定した結果について解析する。 NO, NO2, CO等のガス状物質についても同様に解析を行うする。 アイドリング時に排出されるディーゼル排気ナノ粒子のin vitroにおける影響を調べるため、ディーゼル排気由来環境ナノ粒子を捕集し、粒子の化学成分と細胞への影響に関して調べる。また、rasHトランスジェニックマウスを用いて実車由来ナノ粒子を全身曝露した場合の腫瘍発生に関する解析も進める。一方、吸入暴露実験条件を一般大気環境と対比するために、昨年に引き続き、ディーゼル車が多く走行する道路沿いや、その後背地においてナノ粒子の個数濃度のモニタリングを行う。
課題代表者
平野 靖史郎
担当者
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古山 昭子
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山元 昭二
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藤谷 雄二環境リスク・健康領域
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黒河 佳香