- 予算区分
- CD 文科-科研費 若手B
- 研究課題コード
- 0910CD002
- 開始/終了年度
- 2009~2010年
- キーワード(日本語)
- 塩性湿地,大型底生動物,干潟,物質循環
- キーワード(英語)
- saltmarsh, macrozoobenthos, tidalflat, material flow
研究概要
河口域の潮上帯に発達するヨシ原は、系内における重要な一次生産者であると共に、多くの稀少な底生動物の生息場所としても非常に重要である(和田ら1996;日本に生息する干潟海岸とそこに生息する底生生物の現状)。ヨシ原は、多くの稀少な生物種を育む貴重なハビタットであるにもかかわらず(環境省2007;浅海域生態系調査(干潟調査)報告書)、その重要性が必ずしも認識されておらず、埋め立てや護岸工事などによって失われる危険性が極めて高い(和田ら1996、三浦2008;干潟の生き物図鑑)。そこで本研究では、主に東北地方におけるヨシ原生態系を対象とし、(1)その現状と稀少な底生動物種の分布状況を調査するとともに(2)安定同位体比や脂肪酸分析法を用いてヨシ原に生息する底生動物の餌資源推定を行い、(3)ヨシ原が持つ生態系機能、特に有機物のシンク・ソースおよびその分解場としての機能評価を行い、その保全に関する基礎的知見を得ることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
初年度には(1)仙台湾沿岸から青森県陸奥湾までのヨシ原干潟に生息する腹足類(フトヘナタリ、ウミニナやカワザンショウガイ類など)に関して、広域的な分布調査を行う。間隙水の塩分、底質、地高、植生やヨシ原の面積といった環境因子を同時に測定する。(2)代表的なヨシ原生態系を選定し、安定同位体比分析用の生物・有機物試料を採取する。
2年目には、?の調査で得られたデータを解析し、ベントス種の生息場所としてのヨシ原のクオリティーを評価する。また、?の調査で得られた生物試料の炭素・窒素安定同位体比を測定し、ヨシ原-干潟間での有機物フローを評価するとともにベントスの餌資源を推定する。
今年度の研究概要
(1)仙台湾沿岸から青森県陸奥湾までのヨシ原干潟に生息する腹足類(フトヘナタリ、ウミニナやカワザンショウガイ類など)に関して、広域的な分布調査を行う。間隙水の塩分、底質、地高、植生やヨシ原の面積といった環境因子を同時に測定し、ヨシ原の生息場所評価を行う。
(2)代表的なヨシ原生態系を選定し、安定同位体比分析用の生物・有機物試料を採取し、ヨシ原-干潟間での有機物フローを評価するとともにベントスの餌資源を推定する。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
金谷 弦
- 地域環境保全領域
海域環境研究室 - 主幹研究員
- 博士 (理学)
- 生物学