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マイクロRNAを用いたヒ素の健康影響検出法の開発(平成 20年度)
Development of the method for detecting the health effects using micro RNA

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0809AF004
開始/終了年度
2008~2009年
キーワード(日本語)
ヒ素,miRNA
キーワード(英語)
Arsenite, microRNA

研究概要

東南アジアにおける無機ヒ素による地下水汚染は、慢性中毒の原因となっており、早期の影響検出や影響予測が必要である。miRNAは、癌を含むさまざまな疾患と関連することが報告されており、生体への健康影響予測の新しいマーカーになる可能性がある。そこで、miRNAの発現及びmiRNAが標的とする遺伝子について、ヒ素曝露した実験動物の各臓器で検討し、ヒ素の毒性影響をmiRNAで検出するための科学的基盤を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

miRNAは、約22ヌクレオチドのnon-coding RNAであり、相補的または一部相補的なメッセンジャーRNA (mRNA)に対してそれらの発現を制御する。無機ヒ素によるmiRNAの研究は、細胞株でのみおこなわれており、実験動物の系においてはおこなわれていない。そこで、実験動物のヒ素曝露の影響を調べるために、ヒ素を5ヶ月及び、ヒ素の効果を高めると報告がある葉酸欠状態でヒ素を5か月間飲水投与したマウス雌雄の脾臓(リンパ球)と肝臓において、miRNAの網羅的解析をおこない、発現変動するmiRNAを同定する。発現変動が顕著であったmiRNAについては、リアルタイムPCRでの解析もおこなう。さらに、miRNAが標的とする遺伝子を推定する。以上の研究から、ヒ素の毒性発現をmiRNAで検出するための科学的基盤を明らかにするとともに、新しい健康影響検出法への応用可能性を検討する。

今年度の研究概要

ヒ素及び葉酸欠状態で6日培養するとmiRNAの発現変化が起こると報告されているヒトリンパ芽球細胞株をサンプルとして用いて、リアルタイムPCRでmiRNAの発現を測定するための条件を確立する。また、マウス雌雄への、ヒ素のみ、及び葉酸欠状態でのヒ素飲水曝露を開始する。

課題代表者

鈴木 武博

  • 環境リスク・健康領域
    病態分子解析研究室
  • 主任研究員
  • 工学博士
  • 生物学,生化学
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