- 予算区分
- AG 特別研究
- 研究課題コード
- 0710AG333
- 開始/終了年度
- 2007~2010年
- キーワード(日本語)
- エピジェネティクス,ヒ素,遺伝子発現,トキシコゲノミクス
- キーワード(英語)
- EPIGENETICS, ARSENIC, GENE EXPRESSION, TOXICOGENOMICS
研究概要
種々の環境化学物質について、胎児期曝露の影響が成長後に現れるなどの後発影響や、経世代影響の存在が疑われているが、そのメカニズムや曝露と影響の因果関係は多くの場合不明である。最近、基本的な生命現象として、また後発・経世代影響のメカニズムとして、「エピジェネティクス作用」による遺伝子機能の修飾の重要性が明らかにされつつある。本研究では、環境化学物質のエピジェネティクス作用について、実験動物において高感受性期や臓器・細胞特異性、標的遺伝子、および後発・経世代影響を明らかにする。さら影響メカニズムについて検討し、環境化学物質のエピジェネティクス作用を介した健康影響を評価するための科学的基盤を明らかにすることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
本研究では、無機ヒ素を中心に、実験動物においてそのエピジェネティクス作用に関して高感受性期や臓器・細胞特異性、標的遺伝子、および後発・経世代影響を明らかにする。さらにその影響メカニズムを解明する。
今年度の研究概要
1)昨年度に引き続き、C3Hマウスの胎児期ヒ素曝露の実験系において、後年肝がんが増加する原因につながる遺伝子発現変化とそのメカニズムの検討を行う。また胎児期ヒ素曝露の脳への影響に関しても、エピジェネティクス作用の関与について検討する。2)ヒ素曝露群肝癌組織と対照群正常肝組織のDNAメチル化パターンの差をMeDIP/Microarray法によって検索し、ヒ素曝露特異的な発癌に関連するDNAメチル化変化を明らかにする。
2)低メチル食+無機ヒ素投与によるDNAメチル化変化の原因を探るために、各種酸化ストレス関連因子への影響を解析し、両者の関連についての検討を行う。またヒストン修飾についても検討を加え、低メチルストレスやヒ素のエピジェネティクス作用のメカニズム解明を目指す。
備考
外部共同研究者 塚原伸治(埼玉大学)、伊藤隆明(熊本大学)、馬場崇(九州大学)