- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0708CD580
- 開始/終了年度
- 2007~2008年
- キーワード(日本語)
- サブスタンスフロー分析,マテリアルフロー分析,鉄鋼,レアメタル
- キーワード(英語)
- Substance flow analysis, Material flow analysis, Iron and steel, Rare metals
研究概要
近年、具現化しつつある温暖化などをはじめとする地球環境問題,資源枯渇などの資源問題を受けて物質循環型社会の形成,および,そのための資源・廃棄物を含めた物質管理が緊要とされている。上記の物質管理の観点において、特定の物質が「どこに?」「どのくらい?」「どのような形態で?」存在しているかを把握することは極めて重要である。本研究では、WIO-MFAモデルに基づくレアメタル資源循環分析モデルの開発と応用を行う。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
<平成19年度>1)レアメタルのマテリアルフロー調査: 日本の統計情報は充実しているもののレアメタルのマテリアルフロー解析には不十分である。そこで、これら資料の統計解析と共に、精錬・製錬施設などへの実態調査、ヒアリング調査により、レアメタルフローの実態把握を行う。19年度は主に鉄鋼フローに随伴するレアメタルフロー(Ni, Cr, Mo, Mnなど)の調査を行う。 2)製錬・精錬技術モデルの調査: 対象としているレアメタル(PGMを含む)の多くが、銅や鉛などの副産物などとして得られる事から、製錬・精錬プロセスの技術モデルの反映が必要である。そこで、LCI(ライフサイクルインベントリ)データや実態調査、ヒアリング調査により技術モデル調査を行う。3)レアメタル資源循環分析モデルの開発: 上記1)、2)の調査により得られた基礎情報を元に、レアメタルフローおよび製錬・精錬プロセスの技術モデルを組み込んだWIO-MFAモデルの拡張を行う。
<平成20年度>1)レアメタルのマテリアルフロー調査: 近年、液晶ディスプレイなどの普及に伴いその資源需給が注目されているインジウム、環境規制の強化などに伴い需要の拡大が予想されているPGM(白金族金属)などを対象として調査を行う。2)レアメタル資源循環分析モデルの開発および適用: 上記1)の調査により得られた基礎情報を元に、WIO-MFAモデルの拡張を行うと共にマテリアルフロー分析を実施する。
今年度の研究概要
レアメタル資源循環分析モデル開発のために必要不可欠なデータ収集として、(1)レアメタルのサブスタンスフロー調査・分析、および、(2)製錬・精製プロセスの技術モデル調査を実施した。(1)に関連する具体的な物質としては、インジウム、マンガン、モリブデンのサブスタンスフロー分析を実施した。(2)に関連する具体的なプロセスとして、鉄鋼プロセスおよび非鉄金属精錬プロセスの調査を行った。
課題代表者
中島 謙一
- 資源循環領域
国際資源持続性研究室 - 室長(研究)
- 博士(工学)
- 工学,材料工学