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国立環境研究所研究報告 R-193-2006(平成18年9月発行)
「日本における光化学オキシダント等の挙動解明に関する研究」

 本研究報告書は,国立環境研究所と地方環境研究所とのC型共同研究「日本における光化学オキシダント等の挙動解明に関する研究」(平成16~18年度)の研究成果を中間報告としてとりまとめたものです。C型共同研究は,国立環境研究所が全国環境研協議会を窓口として,複数の地方環境研究所と共同研究を行う制度ですが,光化学オキシダントの挙動解明は,広域性と地域性を同時に考慮しなければならないため,C型共同研究に相応しい研究課題と考えられます。本研究では,平成12~15年度に実施したC型共同研究「西日本及び日本海側を中心とした地域における光化学オキシダント濃度等の経年変動に関する研究」(国立環境研究所研究報告R-184-2004参照)に引き続き,参加機関が共通の方法で大気環境時間値データの基礎解析を進めています。さらに,参加機関がグループに分かれ,光化学オキシダントの挙動解明に関する具体的なテーマについて応用解析を実施しています。本報告書は,平成16~17年度に実施したこれらの解析結果等をとりまとめたものです。本報告書の解析結果や解析方法が,光化学オキシダントの挙動を解明し,対策を検討する上でお役にたてば幸いです。

(アジア自然共生研究グループ 大原利眞)

環境儀No.22 微小粒子の健康影響-アレルギーと循環機能-(平成18年10月発行)

 大気中に存在する粒子のうち浮遊粒子状物質(10ミクロン以下の粒子,SPM)は大気汚染物質として環境基準が定められていますが,硫黄酸化物,窒素酸化物が規制により大幅に削減されたことに比べると,環境基準の達成率がきわめて低い項目とされてきました。SPMは小さな粒子ほど毒性が強いことが多く,健康面での影響が心配されています。このうちディーゼル自動車から排出される排気中の粒子(DEP)は微小粒子の主役と見られ,SPMの健康影響を調べるためにDEPの研究が求められていました。国立環境研究所では,1990年代からディーゼル排気に関する研究を始め,2001~2005年には重点特別研究プロジェクト「大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクト」を実施しました。環境儀22号では,この中から,DEPなど微小粒子がアレルギーや免疫機構に及ぼす影響や循環機能に関する研究の成果と新たな研究動向を紹介します。

(「環境儀」第22号ワーキンググループリーダー 鈴木規之)