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国立環境研究所コンピュータシステムの概要

ネットワーク

中田 敏

図

 当研究所は,環境に関する科学技術計算需要への対応及びデータベースの構築を基軸に,研究活動及び情報業務を支援し,併せて環境行政に役立てることを目的に,昭和50年3月に環境情報システム(大型電子計算機システム)を導入した。その後,利用の拡大や研究業務等における大型電子計算機システムの利用の多様化に対処するため,数回のシステム更改に努めてきた。

 一方,地球環境研究センターの新設(平成2年10月)に伴い,我が国の地球環境研究分野における研究支援体制の整備充実を図るため,平成4年3月には,新規にスーパーコンピュータシステムを導入した。

 平成9年3月に運用を開始した新システムでは,計算需要の増大及び処理形態の多様化に対処するため,大型電子計算機システムとスーパーコンピュータシステムを統合したシステムとしてとらえ,OSをUNIXに統一するなど,比較的大規模のスーパーコンピュータシステムを中核に,複数の各種サブシステムを加えた分散型のシステムを導入した。

 地球環境研究,特に,成層圏オゾン層の破壊,地球温暖化,海洋汚染及び酸性雨などの現象解明や影響予測等の研究を推進するため,演算処理を超高速に行うベクトル計算機本体やフロントエンドシステム及びそれらの演算結果を適切に表示するグラフィックスサブシステム,また,科学技術計算の多くの数値シミュレーションについては,計算アルゴリズム(算法)及びプログラムに適したスカラー計算サーバも導入した。

 このほか,基礎データ,共用データ及び計算結果等の大量のデータを格納する装置を備えたファイルサブシステム,並びにデータベースサーバ(統計解析システムソフトウェアを含む。),当研究所の情報を所内外へ発信するWWWサーバ,イントラネットサーバ等を具備している。

 新システムは,計算処理能力が10倍以上に強化されるほか,大容量のファイルシステムを備えるとともに,各サブシステム間は超高速/高速ネットワーク(HIPPI,FDDI等)で接続されている。また,プログラム相談等,利用者支援を含めたコンサルティング体制も強化された。

(なかた さとし,環境情報センター情報管理室)